取材班が世界的企業トップの薬物情報を摑んだのは昨年2月。それから1年8カ月間、疑惑を追い続け、計3度にわたって“現場”をカメラで捉えた。社長辞任直後に、売人を直撃すると――。
〈私は幾度となく違法薬物の配達を頼まれシュテファン・カウフマン氏に配達してきました。(中略)その様な関係が2年近く続いておりました〉
A4コピー用紙には「内部調査依頼の件」と記されていた。東京・八王子市にあるオリンパス本社にレターパックが届いたのは、9月24日午前10時過ぎのことだ。文書の内容は、同社社長(当時)のシュテファン・カウフマン氏(56)の薬物使用に関する情報提供だった。
実は、同社に「通報」し、社内調査を求めたのは、カウフマン氏に違法薬物を提供していた売人のX氏だ。同封されていたのは、テレグラムなどのアプリでやり取りされた18通に及ぶ通信記録の他、カウフマン氏が利用する複数のアカウントのスクリーンショットである。
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source : 週刊文春 2024年11月7日号