文春オンライン

連載池上彰「WEB 悪魔の辞典」

安倍さんは今、“頭がいっぱい”なのか 池上さんが「頭の片隅にもない」発言を考える

安倍さんは今、“頭がいっぱい”なのか 池上さんが「頭の片隅にもない」発言を考える

【頭の片隅にもない】――池上彰「WEB 悪魔の辞典」

2019/01/30
note

 池上彰さんの連載「WEB 悪魔の辞典」では、政治や時事問題に関する用語を池上さん流の鋭い風刺を交えて解説します!

【頭の片隅にもない・あたまのかたすみにもない】

「いまは考えていないことにする」というカモフラージュの言葉。いずれ頭に入ってくるかもね、というニュアンスがある。

【池上さんの解説】

 安倍晋三首相は暮れの12月30日放送のラジオ日本の番組で、夏の参院選に合わせて衆院解散・総選挙を行う同日選の可能性について「衆院の解散は頭の片隅にもない」と述べて否定しました。

「2019年は皇位継承もあり、G20(主要20カ国・地域)首脳会議、ラグビー・ワールドカップもある。消費税の10%への引き上げも乗り越えていくことが大切。こういうことで頭が今、いっぱいで、(解散は)片隅にもない」と語ったのです。

ADVERTISEMENT

 それはそうですね。「はい、同日選挙を考えています」などと答えたら、大騒動になります。「総理は解散・総選挙に踏み切るかもしれない」と国会議員たちに思わせておけば、牽制できるからです。

安倍晋三首相 ©getty

 もし解散・総選挙に踏み切ったとしても、「去年の暮れの段階では考えていなかった」と言い訳できます。

 解散・総選挙を実施するという発想は、いまは安倍首相の頭の片隅にもなくて、いずれ頭の中に入って来る可能性はあるのです。

池上彰「WEB悪魔の辞典」のコーナーでは、池上さんの解説を聞いてみたい新用語を募集しています!

質問投稿フォーム

安倍さんは今、“頭がいっぱい”なのか 池上さんが「頭の片隅にもない」発言を考える

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー