「八王子」が「住みたい街」2位になれた理由――多摩の“首都”は「立川」ではない？

関東山地の山々がすぐ近くに

　八王子駅にはまず、駅ビル「セレオ 八王子」がある。この「セレオ」はJR中央線沿線に展開しており、国分寺や甲府にも存在する。八王子の駅ビルには元々「八王子ナウ」と百貨店の「八王子そごう」が入っていたものの2012年に閉店し、全館が「セレオ八王子北館」となった。

　メインの出口である北口からは3方向に道がのびている。北東に向かうのが東放射線「アイロード」で、徒歩約5分で京王八王子駅へ至る。沿道には飲食店や保健所があり、道路はバスがひっきりなしに行き交う。京王八王子駅の上にはショッピングセンター「K-8」がある。

　JR八王子駅から北へ延びる道は片側2車線ある立派な通りで、沿道には複合商業施設「八王子東急スクエア」や「ヨドバシカメラ」があり、そのまま1kmほど進むと浅川がある。この浅川にかかる橋から西を見れば関東山地の山々がすぐ近くに見え、自然を感じることができる。

個人商店が立ち並ぶ「ユーロード」と「甲州街道」

　八王子駅から延びる3本の道のうちもっとも特徴があるのが西放射線「ユーロード」だ。この道だけが歩行者専用道路になっており、沿道には大型店の「ドン・キホーテ」や多くの商店が軒を連ねる。また、チェーン店に限らず個人商店も多いのが特徴だ。

　そして八王子駅の北側を東西に走る国道20号線（甲州街道）にも目を向けるとシンガーソングライター・松任谷由実氏の実家である「荒井呉服店」をはじめ、さらに多くの個人商店が立ち並んでいる。

　歓楽街は「ユーロード」の南側の「三崎町」に開けている。店舗数は多く、夜に訪れると客引きも多い。

　今度はJR八王子駅南口へ向かう。すると「OPA」や「セレオ八王子南館」といった商業施設と「オリンパスホール」がある。ただ、こうした商業施設は駅前にあるだけで、すぐに住宅地となっている。

　さて、こうした八王子の魅力は何か。数年前に千葉県松戸市から八王子に引っ越してきたという20代の男性に話を聞いてみた。