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「老後2000万円必要」の波紋 あなたは、実際にいくらあれば100年時代を生きられるのか

おひとりさまは大丈夫? 4つのパターンで試算してみた

2019/06/18
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夫婦ともに会社員の場合

 次は、夫婦ともに会社員で厚生年金をもらうパターンです。このケースで、65歳からの標準的な厚生年金額は、月額15万6496円で、2人分で31万2992円。65歳から90歳までの年金の総額が約9390万円になります。

 先ほどの生活費の総額から計算をすると、1478万円のプラスになります。平均的な報酬(賞与含む月額換算)が42.8万円で40年間就業したケースでの試算のため、ハードルは高いですが、パワーカップルは老後にも強いということが分かります。

シングルで会社員の場合

 最後に、単身で厚生年金のパターンです。

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©文藝春秋

 このケースでは、65歳からの標準的な厚生年金額は月額15万6496円、65歳から90歳までの年金の総額が約4695万円になります。

 老後の生活費はどのくらいかかるでしょうか。

「総務省家計調査2017年」によると、高齢単身無職世帯の1カ月の消費支出および非消費支出の平均額は15万4742円です。こちらから65歳から90歳までの生活費の総額を出すと、約4642万円。先ほどの年金の総額から計算をすると、53万円のプラスになります。

 よく単身だと老後が不安という声を聞きますが、お金のかかるイベントも少ないので、数字を見ると、なんとかしのげる計算になります。もしもの時に、頼れる知人や友人がいるとさらに安心です。

 老後に必要な資金は、このように老後の生活費と年金額から試算することができます。あくまでも一般的なシミュレーションなので、より自分の家計にあった老後の生活費を算出するには、現役時代の生活費の7割を目安にするといいでしょう。年金額は、前出したねんきんネットで将来の年金額をもとに試算すると、老後に必要な資金をより正確に算定することができます。厚生年金額は報酬額によって大きく変わりますし、国民年金の場合も収めた期間によって金額が大きく異なります。

 また、先に書いたとおり、生活費は賃貸か持ち家かによって金額は大きく変わります。さらに、医療費や介護などの備えとして、1000万円前後備えておきたいところです。