シンガポール在住、ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。この春以降にLINE、楽天、アップルなどアプリと連携させる新しいクレジットカードが続々登場する予定です。また、政府も消費税10%導入に向けてキャッシュレス決済へのポイント還元制度を実施する予定で、来月には決済事業者が発表される見込みです。既に三井住友カードは3月1日より、大手コンビニのセブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンで利用するとポイントを5倍にするなど各社キャッシュレス化に向けて施策を打ち出しています。
日本よりキャッシュレスが進んでいるシンガポールでは財布を持たない人も増えています。彼らは携帯アプリのQRコードをかざして決済したり、銀行アプリで割り勘の支払いをしており、財布を持ち歩く必要がなくなっているのです。私自身も持ち歩くのはカードケースのみになりました。将来的にはスマホだけを持ち歩けば、ほぼ全てアプリで決済できるようになりそうです。iPhone ユーザーは、アップルカードの登場で、現金を持ち歩く習慣がなくなるかもしれません。
新しいカードも増えている中、いま、本当に持つべきクレジットカードを見直してみましょう。
ポイントの還元率と交換しやすさを比較しよう
さて、新しい決済方法が注目されているとはいえ、基本の原理原則は変わりません。クレジットカードはポイントが貯まって便利な反面、後払いなので使い過ぎるリスクを伴います。アプリをかざすだけで決済できるようになれば、お金を使う重みはますます減っていくでしょう。また、複数枚保有していると決済日などの管理も大変です。お得なカードが増えるということでたくさん作り過ぎるのは禁物。ポイント還元率が1%ならば、10万円利用してやっと1000円にしかなりません。ポイント還元率を見極めて、普段使うカードはメインとサブと2枚に絞りましょう。
メインカードは、幅広いお店で1%以上のポイント還元率のカードを選ぶことが鉄則です。標準的なクレジットカードの還元率は0.5%程度で、自社系列など特定の加盟店では還元率が高く設定されています。しかし、特定の加盟店で還元率が高いカードをたくさん作ると枚数が増えて管理が難しくなります。そこで、特定のお店で高いポイントが付くクレジットカードよりも、幅広いお店で1%以上還元率のあるものをまずは1枚選びましょう。