金融庁が「老後資金として2000万円の蓄えが必要」と指摘したレポートを発表し、話題となっています。このことは、FP(ファイナンシャルプランナー)の多くは10年以上前から指南をしてきたことで、目新しいことではありません。しかし、金融庁が発表したことによって大きな関心と混乱を巻き起こしました。
では、2000万円という数字はどのような根拠で考えられ、あなたの場合は老後資金として一体いくら必要になるのでしょうか。夫婦(会社員と専業主婦や主夫)、夫婦(自営業)、夫婦ともに会社員、シングル(会社員)など代表的な例でケース別に考えていきます。
老後の生活費は夫婦でどれくらいかかる?
「総務省家計調査2017年」によると、高齢夫婦、無職世帯の1カ月の消費支出および非消費支出の平均額は26万3717円です。これは、生活費や住居費、医療費に加えて、非消費支出の税や社会保障の支払いなども含めた金額です。この金額から65歳から90歳までの生活費の総額を出すと、約7912万円となります。
ただし、大部分の家庭が持ち家なので、この試算は持ち家前提でのシミュレーションになります。賃貸の場合はより生活費がかかると考えた方がよいでしょう。
この莫大な生活費を一体何で補うかと言うと、大部分は年金になります。各自がねんきんネットなどで自分が受給する年金の金額を試算して、不足額を預貯金や労働などで補う必要があります。