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トルシエ大嫌い、合宿ではひとりメシ……元日本代表・久保竜彦が明かす「波乱万丈のサッカー人生」

“ドラゴン”久保竜彦インタビュー#2

2019/07/21
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1週間の断食が自分を変えた

 ジーコ監督就任3年目の2004年には9試合の国際Aマッチに出場し、6得点をあげた久保さん。日本代表のフォワードとして不動の地位を築き、2006年W杯ドイツ大会の出場は確実かと思われた。が、腰と膝、さらには足首の不調がブレーキをかける。

ーーどんな治療をされたんですか。

久保 膝と腰にステロイド注射をむっちゃ打ってました。注射を打つと、痛みが消えるんですよ。それで100%でできるから、調子いいんですよ。でも、だんだん量を増やしていかなきゃいけなくて、しかもそれが増やしても徐々に効かなくなってくるんです。たぶん気づかないだけで、身体には相当負担になっていたんだと思うけど。

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ーー腰痛がひどくなって、山形県高畠の断食道場に通い始めます。

久保 マリノスのフィジカルコーチに教わって、1週間の断食をときどきするようになった。身体がすっきりするんです。酵素風呂に入ったり、酵素を飲んで、あとはひたすら、断食するわけです。5日目ぐらいになると、立つのがやっとでクラクラしてくる。6日目ぐらいからは、息をするのが苦しくなる、息をするのにも力がいるようになる。どうやったら息って楽にできるんやろって、ずっと考えてました。死ぬ前ぐらいまでの、本当にギリギリのところまで行くんです。それで、毒が出る。最後はやばかったです。ねずみ色みたいなウンコがにゅるって出るんです。でも、そこからもう、腹も気持ちがよくて。1ヶ月ぐらいはケツ拭かなくていいんですよ。スポンとウンコが出るから。

 1週間ぐらいかけて食事も戻していくんですけど、集中力は上がるし、体力はつくし、走れるようになりましたね。俺がすっきりしている顔になってるけん、岡田(武史)監督も「なん、すっきりしとんや、俺も行くわ」って来てました。なんか、断食するといい人になりますよ。