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皇后雅子さま とばりが開いた瞬間“緊張の表情”と「イメージより高いお声」

2019/10/22

genre : ニュース, 社会

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荘厳なリハーサルと、26年前のパレード

 10月6日には、朝からパレードのリハーサルが粛然と行われた。午前7時頃に車列が動き始め、静かに、そして滑らかに走行しながら時速10キロほどのスピードを保っていたようだ。

 リハーサルでは両陛下が乗車されるパレード専用のオープンカーは走行しなかったが、当日は白バイやサイドカーなどに囲まれて厳重に警備される。車列全体が通りすぎるまで約5分はかかっただろうか。赤坂御所へ向けて、荘厳な車列はゆっくりと進んでいった。

1993年6月9日、結婚の祝賀パレード ©JMPA

 この時、皇太子さま(当時)と雅子さまの結婚の祝賀パレードを自然と思い出した。胸元のフリルがゴージャスなハナエモリの純白ドレスをお召しになった雅子さまを報道で拝見して、とにかく「きれいな方」という印象が強かった。外務省に勤務していた頃、肩で風を切って歩く様子から、皇室に入られてからもキャリアを生かしたご活躍を想像していたし、「妃殿下になる方は、生まれながらの素質をお持ちなのだろうか」と考えた。

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 小和田邸を出発する際の様子も忘れがたい。愛犬・ショコラに顔を近づけた雅子さまの水色のツーピースの鮮やかさと、記者会見で、母の優美子さんが「娘でありながら大切な預かりものをしているという気持ちでいたので、ほっとしているところです」と語っていたことを記憶している。

愛犬のショコラに別れを告げ、自宅を出発