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コロナでも倒産ゼロ!? 埼玉・西川口50軒の中華料理店が不況に強い“3つの理由”

2020/06/08
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 いざ店に行ってみると、完全にテイクアウト・デリバリー限定の対応。なんと日本の他店舗がまだ通常営業をおこなっていた今年3月下旬から、福記はこの体制に切り替えていたらしい(ちなみに日本政府が緊急事態宣言を出したのは4月7日である)。以下、インタビュー形式でお伝えしよう。

店の前にイスを並べて、持ち帰り対応を呼びかける福記

──かなり早期から対応していますよね。

林: はい。やっぱり怖いですしね。ウチの娘も2月ごろから幼稚園を休ませていますよ。店は4月以降は、金・土・日だけ営業。お客さんの持ち帰りと、出前だけで対応しています。本当はまったく営業しないでおきたいくらいでしたが……。

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──今回、中国国内の情報を得ていた人は動きが早かったですよね。私も2月中旬から厳戒態勢だったので、当初は周囲から浮きまくっていましたが(笑)。

林: いくら致死率が低くても、自営業者は感染したら大変なことになりますから当たり前でしょう。しかもウチの場合、上の子が5歳で下の子は生まれたばかり。しかもコロナで飛行機が飛びませんから、もしものときでも中国にいる親戚を頼ることができません。まずは身を守らないと。

──金・土・日だけ営業しているのは、最低限のランニングコストを確保するため?

林: ですね。自分自身への給料は削っても当面はなんとかなりますが、家賃や光熱費を多少はカバーしないといけなくて。現状がいつまで続くかわかりませんが、半年までならなんとか……もつかな。

西川口の中華料理店はなぜ潰れないのか?

──しかし、西川口の50軒の中華料理店は、聞いた話ですが5月末までの倒産はほぼゼロらしいんですよね。中国系の店舗はコロナの風評被害も大きそうですが、なぜみんな生き残っているんでしょう?