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コロナで日本型企業モデルは完全崩壊 会社員が生き残る3つの心得とは?

ビジネスパーソンは「そこそこ食えて」「そこそこ役に立てる」を目指せ

2020/06/24
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「G(グローバル)の世界」と「L(ローカル)の世界」

 この中で経営職という業(わざ)はこれからますます重要だが、同時に極めて難しい仕事にもなっていく。特にG(グローバル)の世界で競争しようとすると、大企業であれベンチャーであれ、経営職に求められる業(わざ)の水準は極めて高いものになる。よくあるリーダー育成本 は、みんな頑張って世界水準のリーダーを目指せ、なんてことが書いてあったり、大学の先生なんかも気軽に同じようなことを卒業式で言ったりする。しかし、私には他人さまはもちろん、自分の子供にさえそんなことを気軽には言えない。この道の厳しさゆえに本人の人生を不幸にする確率も高いからだ。才能と努力と若干の運がないと成功への道は開かれない、いわば修羅の道を進むのか、自分の能力を確実に世のため人のために役立たせ、相応の対価をもらえる業(わざ)を身に付けるか、よく考えて選択したほうかがいい時代が今という時代なのだ。

©︎iStock.com

 G(グローバル)の世界でトップを目指すか、L(ローカル)の世界でかけがえのない人材になることを目指すのか、の選択が重要だ。世の中の多くの人が日々の暮らしを営んでいく中で、そこでより切実に役に立てる仕事、それも手触り感を持って役に立てる仕事はL(ローカル)型産業の方が多い。現場のオペレーショナルな仕事はもちろん経営レベルにおいても。その意味で、こと人の役に立つという一点において、G(グローバル)の世界とL(ローカル)の世界に上下の差はない。大事なことは、その人がどれだけ役に立っているかである。

できること・やりたいこと・やるべきこと

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 そこで繰り返し検証すべきは、自分ができること(can)、自分のやりたいこと(will)、自分がやるべきこと(shall)が重なっている仕事をしているか、である。この三つが重なっている仕事をやっている限り、それなりに人の役に立てるし、そこそこ食わしてもらえるものだ、それも気分よく。すなわちそこにあなたの業(わざ)は成り立つのだ。もし現在、そうでないならcanをもっと大きくすべきか、willを方向修正すべきか、shallを変えるために会社や仕事を変えるか。若い人ならcan をまず大きくすべきだろうし、ミドルならwillとshallの折り合いをつけることになるだろう。私なんかはそろそろcanが衰えだすので、canと残り二つの折り合いを考えないといけない。

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