リーマンショックを超える経済危機と言われる「コロナショック」。企業も、個人も、今までのやり方が通用しない時代がやってくる。この未曾有の状況でカギを握るのは、やはりリーダーの存在だ。いまリーダーは何をすべきか、あるいは、何をしてはいけないのか。
JAL、カネボウ、ダイエーなど数々の企業再生に携わり、このほど『コロナショック・サバイバル』(文藝春秋)を緊急出版した“企業再建の達人”冨山和彦氏が、修羅場でリーダーがしてはいけない8つの「べからず」を直言する。
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【見たい現実を見る経営】
カエサルが喝破した通り「見たい現実を見る」人間の本性に流される経営では会社は潰れる。ありのままの現実、自分たちにとって不都合で見たくない現実から目をそらしてかじ取りをして、危機を乗り切れるはずがない。もしそういうタイプがリーダーなら手立てを尽くしてさっさと更迭するか、それが出来ないならさっさと会社を辞めた方がいい。
【精神主義に頼る経営】
苦しくなると経営陣が部下や現場に精神論を説く、合理的に不可能な指示を出して、現場がそれを実行できないと「根性があればなんとかなる」「出来ないのはやる気がないせいだ」とわめき出す。危機の現場で私たちは何度も目撃した光景だが、そんな経営陣が居座り続けたらその会社は終わりである。