文春オンライン

ようやく見えてきた、コロナウイルス騒動でも生き残る企業そして個人

いまこそ「自分の人生の棚卸し」を

2020/04/23
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 いよいよ大変なことになってきました、コロナ騒動による経済低迷。

 私のような相場の片隅で棲息しているセミリタイアのところにも、事業不振で大変なことになっている経営者の皆さんからいろんなご相談を頂戴します。

 飲食やサービスの仕事をされている方が最初は多かったですが、いまでは普通の事業会社が目の前の仕事が飛んで、年内はおろか夏を迎えられないという悲壮なお話を頂戴することのほうが多くなってしまいました。

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いますぐ潰れて欲しいような要望ばかり

 もちろん「私のところに来るぐらいなら、さっさと商工中金や政策金融公庫に行け」と申し上げるのですが、ここには落とし穴がありまして、いろんな緊急融資も特別給付も「ちゃんと地方税や社会保険料を納めている会社のみが対象」だったり、雇用調整助成金も1人当たり最高1日8,330円までしか認められないし、そもそも支給が6月だよ、融資決定が来月だよという話になると「いま!! この月末の!!! おカネが!! 足りんのです!!!!」とかいう経営者の皆さんのニーズには合致しないんですよね。

 結果として、最初は「ちょっと時間くれ」だったのが「借りているオフィスについて賃料を免除して欲しい」とか「いま払えないので支払いを7月にしてくれ」などという話とともに「悪いが2,000万貸して」とかいう、月末と言わずいますぐ潰れて欲しいような要望ばかりだったりするのです。

まず身銭を切って生き残ろうという姿勢を

 そういう経営者さんたち、皆さん個人的には好きだし交流もあるんですけど、だいたいが「会社のカネで車を買っている」「愛人を子会社の社長にしている」「豪華なオフィスで多くの不要な社員を雇っている」ところばっかなんですよね。

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 まずカネを借りに来る前に、事業の中身を見直したり、豪華すぎるオフィスを減床したり、余剰な人員を削減したり、経営者自らが会社にツケた車を売り、愛人からマンションを取り上げ、身銭を切って生き残ろうという姿勢を示さなければならない。自分は資産をため込んでいるくせに、会社にキャッシュがなくなったからといって、銀行や同業者やワイのようなところをアテにして頼みこんでくるというのは間違っていると思うんですよね。

 何より、社員さんの生活が第一であるべきなんですよ。事業を行って利益を出して会社を存続できるのは、何よりも仕事を担当する社員さんがいてこそです。オフィスやベンツや愛人が稼いでくれるわけではない。事業の存続に貢献しない、低空飛行する気球の砂袋をいち早く落とすことができるような、変化に対応できる、決断できる経営者だけが、こういう危機を乗り越えるのです。