「若い女性にイタズラしようと思い、家に入ったが、おじいさんとおばあさんに見つかったので刺した。女の子を強姦するつもりだったが、途中で逃げられた」
身勝手な理由から2人の老人を殺害した犯人。死刑になってもおかしくない犯行の男にくだされた罰とは…? 2014年に起きた事件の顛末を、ノンフィクションライターの諸岡宏樹氏の著書『実録 性犯罪ファイル 猟奇事件編』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。なおプライバシー保護の観点から本稿の登場人物はすべて仮名である。(全2回の2回目/最初から読む)
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老人を殺したあとは孫娘にイタズラを…
(おじいちゃんもおばあちゃんもこの男に殺されたんだ…。このままでは私も殺される…)
華菜さんは抵抗せずに2階の自分の部屋に入った。男は包丁を突き付けたまま一緒に入ってきた。
「よし、うつぶせになって後ろで手を組め!」
言われるがままに布団の上でうつぶせになると、男が足の上にまたがり、粘着テープでジャージの上から手首をグルグル巻きにしてきた。
「ズボンも脱ごうか」
ここで男の目的がレイプだと気付いた。華菜さんはジャージのズボンを脱がされ、パンティーが丸出しになった。男は持参したローションを取り出し、ニヤニヤと笑っている。
(こんな男にレイプされるなんて…。殺されるよりはマシかもしれないけど…、でも、イヤだ!)
華菜さんは何とかして逃げだそうと手首を動かし続けていると、粘着テープが緩んだので、とっさに起き上がった。男は「待て!」と言って後ろから上着をつかんできたが、スポッと体からジャージが抜けた。そこからどう逃げたのかは覚えていない。絶叫して階段を駆け下り、血の海の廊下を走り、玄関を出て二軒隣の叔父の家へ。チャイムを鳴らしても応答はなかったが、庭にいた叔父が声を掛けてきた。
叔父の通報で警察が駆け付け、祖父母の死亡が確認された。祖母はノドを3カ所刺され、祖父は7カ所刺されていた。警察は殺人事件とみて捜査を開始した。