経営者という人種は、カネがあると浮かれる
でも、残念ながら経営者という人種は、カネがあると浮かれるし、全能感を覚えると銀座やパパ活に入り浸ったり、女子アナと合コンをしたがるのです。いままで我慢して経営してきた人が、いったん軌道に乗るとパッと派手にカネを使いたがる、いい女を求めて彷徨(さまよ)い歩くのは、持って生まれたコンプレックスと欲望の爆発によるものなのでしょうか。
そういう人たちが目の前の新型コロナの2か月でいきなり経営危機に陥って、阿鼻叫喚となり、カネを貸してくれ、出資してくれと突然連絡を取ってくるのが世の中なのです。私にまで連絡をしてくるということは、他から断られたんだろうなあ、と思うわけでね。
やはり、「当面のコストはちゃんと絞ってから相談に来て欲しい」というきちんとした再建計画と「いま出資や融資をすればこういう未来がある」という行く末の話をしてくれない限り、銀行はもちろん、友人であったとしても私だって財布のひもは緩まないのです。誰がカネなんか貸すかバーカ。
そして、働く人たちもここしばらくはサバイバルが求められます。生き残らなければなりません。
コロナ緊急対策の名のもとに統制された戦時経済へ
どうせ、安倍ちゃんがようやく決めてくれた1人10万円一発ぽっきりじゃ足りませんでした、コロナウイルスによる自粛経済からの回復のスピードが失業拡大に追いつきませんでした、とか言って「現金給付おかわり」や「休業補償の拡大」を求める声はどんどん大きくなると思うんですよ。一家で1人10万円もらったって、それで「ああよかった。これでどうにかなる」と救われる人がいると思いますか。おらんでしょ。しかも、それをやるのに12兆円もかかるんですよ。
そして、国庫的にはこれらは全部捨て金になる一方、食えない国民からしたら、政府が悪い、どうにかしてよという話になるんですよね。「生活できない」ってのは切実ですし、それが正義ですから、世の中はコロナ緊急対策の名のもとに非常時対応となり、やがて資本主義から統制された戦時経済へと移行していくことになるのです。
だからこそ、早々に不振が広がる産業については支援の幅を広げて、業界再編のうえで合併させ公的資金を注入して早期に国有化して凌げ、という文字通りの戦時経済になると思います。余裕がなくなりますからね。
みんな死にますよね、これ
一番心配しているのは航空業界や輸送・鉄道業界、地元のタクシーやバス会社など、経済の大動脈から毛細血管に至る人流と物流を担う会社。そして、高付加価値産業へとシフトして成功したはずが一気に受注激減して死ぬ思いをしている農業・酪農・養殖などの装置産業化した一次産業、またそういうところに担保をつけて貸し出しを続けてきた地場金融機関です。
みんな死にますよね、これ。
当然、地域の金融機関はたくさん死にかねないので、破綻処理に追い込まれる前に信金信組や農協などが地域で合併して、さらにブロックごとに地銀や場合によってはメガバンク系列になるような護送船団的な仕組みを作って、金融円滑化法で検討されたような公的資金の注入ぐらいしかやることはなくなるわけです。