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【人望を気にする経営】
一般社員からの目や人望を気にして、急に社員食堂で食事を始めたり、現場社員との車座行脚を始めたり、電車で通勤したりする経営者はヤバい。会社や事業の生死がかかっている、自分や家族の生活や人生がかかっている時に、社員は経営者が「いい人」かどうか、「人望」があるかどうかに関心なんて持っていない。この窮地をリアルに脱する的確な判断力、行動力、胆力のありそうな人物についていくものだ。
【衆議に頼る経営】
厳しい決断に際して、人から恨まれたり批判されたりするのが怖いリーダーは衆議に頼り、時間をかけ熟議をして、みんなで決めたことにしたがる。危機時の衆議╳熟議は衆愚に直結。どの選択肢にも誰かがケチを付けてものが決まらず、最後は何をやりたいのか分からない結論になり、その先には悲惨な末路が待っている。中堅・中小のオーナー経営者でも、二代目、三代目と世代が下り、育ちも学歴も良くなってくると、こういうタイプが増えてくるので要注意だ。
【敗戦時のアリバイ作りに走る経営】
サラリーマン経営者に多いが、自分が最善を尽くした証拠を残す、後で訴訟を受けないための証拠を残すことに熱心で、実際の決断は行わない。そしてリアルな生き残りに必要なリアルなリスクをけっして取らない。社外取締役のなかにもサラリーマン体質の人間は、元役人や学者でもこういう手合いが出てくる。肝心な時に戦場から逃げるやつが最高司令官や司令部メンバーでは戦争にならない。アリバイを作っている間に会社は潰れてしまう。このタイプは他責も得意だ。苦しくなると、「世の中が悪い」「政府が悪い」「部下に人材がいない」と言い出す。そして、敗戦処理もちゃんとやらずにどこかに消えてしまう。