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Go To見直しは“説明ナシ”では乗り切れない 産経師匠からも菅総理へ「どうかしている」の叱咤

「お答えを差し控える」は差し控えてください

2020/11/24
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産経師匠から菅総理へ「どうかしている」の言葉 

 産経師匠のお叱りは止まらない。菅首相が「Go Toキャンペーン」の見直しの方向を表明した翌日22日の社説を見てみよう。『具体策を一日も早く示せ』と尻を叩いている。そして、

《政府が今ごろ会合を開き、方針を決めたことすら遅いのに、具体的な実施対象、期間を示さないのはどうかしている。》

 どうかしている! 菅さん、どうかしてるって言われてますよ。一面記事では「生煮え」とも。ああ。

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産経師匠からの言葉はどう響く… ©JMPA

 21日の『首相、記者会見開かず』という記事では菅首相は情報発信に消極的とし、

《国民の不安や疑問に応える情報発信は政府トップの役割の一つ。感染状況が悪化した11月以降、首相は記者団のぶら下がり取材には応じるものの、記者会見は開いていない。》

 出ました記者会見問題。なぜ菅首相はコロナ感染拡大の中でも会見をしないのか。そもそも首相に就任してから国内では2カ月以上も記者会見を行っていない。驚愕の事実である。

 ぶら下がり取材は記者会見ではない。一方的な発信であるから説明しなくてもいい。実際こんな光景もあった。

《首相は記者団に「Go To」を一時停止すると重ねて説明。ただ、「タイミングは遅くなかったのか」「一時停止はいつから始まるのか」などと問われても答えることはなく、すぐに背を向けその場を後にした。》(朝日11月22日)

ぶら下がりでは質問に答えないこともできてしまう? ©JMPA

 記者会見じゃないから「すぐに背を向けその場を後に」することも可能なのである。「答えない」「説明しない」という悪癖がこの大一番で出てしまっている。

《口を開いても発信力への不安からか、ぶら下がり取材に応じるだけで記者会見も開かない。》(日刊スポーツ11月23日)

 前面に出ない首相のために《国民に危機意識が浸透せず、「コロナ慣れ」を招いているとの指摘もある。》(信濃毎日新聞11月21日)