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「風俗」を引退し「パパ活」に路線変更…生活に困ってはいないのに、カオル(23)が体を売り続ける“明快な理由”

『限界風俗嬢』より #3

2021/08/19
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「まあそうだよね。断るのが面倒臭かったとか?」

「なんか、約束したってのもあったし。結局、断るのが苦手なんですよね」

「そのときって痛みはあった?」

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「ふつうにありましたよ。『痛い痛い痛い、イターイ』って、声出してましたもん。向こうはよくイケたなあと思って……ハハ」

店を辞めた段階での貯金額

 カオルはそのときみずから発した声を模して再現する。

「それ以降って、男性との本番はあったの?」

「今年のパパ活まではなかったです」

「つまり××(SMクラブ)を辞めて1年くらいは風俗、というか性の仕事はやってなかったわけだよね。以前と違ってそちらの収入がなくなるというのはどうだった?」

「そうですねえ、風俗でおカネが入ってたときは、お小遣い帳じゃないですけど、そういうのをつけないで、遣いたいときに遣うって感じで過ごしてたのを、さすがにヤバイなって思って、家計簿じゃないですけど、そういうアプリを(スマホに)入れて、やっていこうってなってました」

「店を辞めた段階で貯金っていくらくらいあったの?」

「一応、100万とか150万とかはありました」

「それは減っていった?」

「いや、元からそんなに遣うタチではないんで、逆に給料から毎月貯金をして、金額は増えてますね」

「つまり昼職の給料だけでも、貯金できるくらいはなんとかなるわけね。実家にもおカネは入れてるの?」

「まあ、少ないですけど、一応は」

もうちょっと余裕が欲しいけど…

 私は、ここで疑問に感じていた、給料でやっていけてるのに、なぜパパ活を始めようと思ったのかについて質問した。

「パパ活の存在自体は、デリヘルで働く前くらいから知ってはいたんです。それでまあ、一応月に4万くらいは貯金してるんですけど、それを目標にすると、やっぱり毎月カツカツなんですね。で、週末とかに、この服欲しいなあ、みたいなのがあって、もうちょっと余裕が欲しいけど、風俗には戻りたくないなあ、みたいな感じで……」

「なんで風俗には戻りたくなかったんだろう?」

「やっぱりこう、風俗ってどうしても性病とかの不安がつきまとうじゃないですか。それが嫌で……」

 パパ活にも当然ながら性病のリスクはあるが、不特定多数を相手にする風俗業よりはマシとの意識があるようだ。

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限界風俗嬢 (集英社ノンフィクション)

小野一光

集英社

2021年8月5日 発売

「風俗」を引退し「パパ活」に路線変更…生活に困ってはいないのに、カオル(23)が体を売り続ける“明快な理由”

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