歌舞伎町の社会学を研究する現役女子大生・佐々木チワワさん。自身も15歳から歌舞伎町に通い、ホストクラブの沼にはまったという。 

 歌舞伎町では、ホストに月に数十万もお金をつぎ込んでしまう“ホスト狂い”が増えているという。彼女たちは一体どのようにして大金を稼いでいるのか。佐々木さんに歌舞伎町の“ホスト狂い”について詳しく話を聞いた。(全2回の2回目/#1を読む)

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#頂き女子

――歌舞伎町では月に数十万のお金を使う“ホスト狂い”の女性が多いと聞きます。20歳前後の若い女の子は、どうやってお金を稼いでいるのでしょうか?

佐々木 キャバクラ、風俗、バーなど多種多様ですね。結局効率よくお金を稼げればいいので。その中でも最近“頂き女子”が問題視されています。頂き女子とは、恋愛経験が乏しそうな独身男性に対して、借金をしてるなどのウソをついてお金をもらう女性のことです。「電気代が払えない」「携帯料金を滞納している」とかいろんな嘘をついてお金をもらっています。そうやっていくら頂けたよって話をSNSで「#頂き女子」とつけてツイートするんです。そうした女子が増えています。

賑わっている金曜夕方の歌舞伎町  ©今井知佑/文藝春秋

――なぜわざわざツイートするんですか?

佐々木   自分はこの方法で、いくら騙せたよってことを書くことによって他の頂き女子と情報を共有するようです。このやり方だと成功しやすいよとか、この言い回しはやめたほうがいいよとか。あとは競い合っているという側面もあると思います。私は何百万もらうことに成功しましたみたいな。SNSでは「ただの詐欺師だろ」って言われていますね。

――男性側はそれに気づかないんですか?

佐々木 気づいても泣き寝入りですよね。そもそもパパ活自体どうなの?って話だし。それに頂き女子は相手のことをパパではなく“おぢ”って呼んでいます。おぢと呼ぶことによって罪悪感を薄めているようです。