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「若い子には小説が本屋で売っていると分かっていない人もいるけど…」 動画クリエイターけんごさんが、小説紹介を“ビジネス”にしない理由

けんご@小説紹介さんインタビュー#2

note

目標は小説執筆と「けんご大賞」

──けんごさん自身の目標や次に目指していることは何ですか。

けんご いままでは自分は小説を楽しむ側の人間だったので、まったくそんなことを考えたことはなかったんですが、最近自分でも小説を書いてみたいなと思うようになってきました。

 でも思うのと実際に書いてみるのとでは大違いで、小説って、どうやって書くんだよと思いながら悩んでいます。親しくさせていただいている作家さんにこっそり「どうしたらいい」とお聞きして研究していますが、作家さんはすごいということがわかるだけで執筆はまったく進まず、打ちのめされています(笑)。

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 酒テロ系の動画で話題の「酒村ゆっけ、」さんは物語みたいな動画をつくる方で、いつも参考にさせていただいているのですが、この方のエッセイや小説も面白くて、本当に皆さんすごいなと。

 あとは、「けんご大賞」みたいなアワードもつくりたいと思っていて。僕が勝手に選ぶ2021年の出版作品ベスト10みたいなイメージですが、いずれ「本屋大賞」みたいに認知されるようになれたら最高だなと妄想をふくらませています。

──まだご紹介していないおすすめの本もたくさんあるのでは。

けんご あります、あります! 僕、実家で動物を飼っていたので、動物系の作品がすごく好きで。有川浩さんの『旅猫リポート』や、原田マハさんの『一分間だけ』をどうやって紹介したらいいかはずっと考えています。『旅猫リポート』だけで1本の紹介動画をつくりたいんですが、どう紹介したらいいんだろうと自分のなかでまとまらなくてなかなか取りかかれずにいます。

 筒井康隆さんはすごく難しかった『虚人たち』もいずれ紹介したいですし、読んだことのない筒井さんの作品もそのうちに読んで、面白ければ紹介したいと思っています。

──初めて読んだ小説、東野圭吾さんの『白夜行』のご紹介予定はありますか。

けんご 『白夜行』はずっと紹介したいと考えているんですけど、脚本が思い浮かばないんです。一度思い切って出版社の担当編集さんに「『白夜行』ってどうやって紹介したらいいんでしょうか」と相談したことがあるくらい、ずっと考え続けています。『容疑者Xの献身』は紹介しているので、東野圭吾さんの作品が紹介できないわけではないと思うんですが、『白夜行』だけはできないんですよね……。でもいつか絶対紹介したい作品の筆頭に位置し続けています。

 

──小学生から続けてきた野球への未練は完全にないのですか?

けんご 野球はもう見るだけで十分です。ただ、野球辞めたのに食べる量が減らなくて、すき家で毎回肉の量が2倍の「特盛」を頼んでしまうんですよ。次こそ「並盛」にしようと思うんですが、つい特盛を頼んでしまうのは「未練」でしょうか……。そこは早急に改めなければと思っています(笑)。

(取材・構成:相澤洋美、撮影:文藝春秋/杉山秀樹)

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