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連載ことばのおもちゃ缶

山田 航
2015/11/22

なぞなぞは答えるより作るのが面白い!(1)
「答え=実は地球にいたから」のなぞなぞを作ってみよう

genre : エンタメ, 読書

 三拍子というお笑いコンビに「早押しクイズ」という漫才がある。ボケの高倉陵がツッコミの久保孝真が出すクイズに対して、「問題がマニアックすぎる」といちゃもんを付ける。そして「俺なら誰でも正解できる問題を出す」と豪語。久保が思い付きで言う適当な解答に、高倉がむりやり答えに寄せて問題文をねじ曲げてゆく。

高倉「問題、古代より」
久保「ピンポン、スマートフォン」
高倉「正解! 古代より建築や彫刻などに使われている石灰岩を大理石といいますが、大理石に叩き付けたら壊れるものといえば何? スマートフォン、正解!」

高倉「問題、童謡『かあさん』で」
久保「ピンポン、弟」
高倉「正解! 童謡『かあさん』で、母さんが夜なべをして作ったものといえば何? 弟、正解!」

 こんなやりとりが続く。本来なら問題文が振りで解答が落ちであるところを逆転させており、そこで生じる無理矢理さ加減で笑いを取るという構造だ。二つ目のように、あえて問題文をねじ曲げずにそのまんま行ってしまうことで意味をずらしてしまうパターンもある。

 この漫才を見たとき、そういえば昔これに似たことをしていたなと思い出した。小学生のときクイズ番組好きだった私は、親にねだってクイズ番組のボードゲームというのを買ってもらった。しかし一緒にクイズで遊んでくれるような友達はいなかった。そのボードゲームはちゃんと音が鳴る早押し機まで付いている本格的なものだったが、テレビの前に陣取って正解がわかったらそれを押して優越感を抱くという悲しい行為を日々繰り返していた。ゲーム付属の問題集をただひたすら読みあさることだけが自分の遊び方になっていた。しかし問題数は限られているので、何度も遊んでいるとすっかり暗記してしまう。仕方ないので新しいクイズを自分で考えよう……と試してはみても、クイズを作るなんて行為は小学生にはハードルが高い。なので、問題集にすでに収録されている問題の正解だけを取り出し、「この答えが出てくるような問題文を逆に作る」というところから始めてみた。

問題 世界三大珍味といえばトリュフ、フォアグラと何?
正解 キャビア

 こんな問題があったとして、次は「キャビア」が答えになるような別の問題文を考えるのである。

問題 チョウザメの卵を塩漬けにした食べ物を何という?

問題 ロシア語では「黒い魚卵」という意味の「チョールナヤ・イクラー」と呼ばれる食べ物のことを、日本では一般に何という?

問題 秋田県の珍味として知られる、ホウキギの実を煮て作る「とんぶり」。俗に畑の何という?

 こんなふうにいろいろ作れる。情報のネタ元は図書室に置いてあった図鑑である。いつかはこれを出題できるような友達ができたらいいなと思っていたが、なかなか現れそうになかったので早々に諦め、「どれだけ斜め上な問題文を作れるか」ということに力を注ぐようになりはじめた。

問題 岩手県や宮崎県で主に生産されているものといえば何?

問題 プリン体を多く含んでいて食べ過ぎたら痛風になるものといえば何?

問題 大仏様が頭に貼り付けているものは何?

問題 大仏様が一時期は断食修行までしていたのにあそこまで立派な体格になってしまった原因である、頭に貼り付けてこっそりと食べていた非常食は何?

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