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飲んだら“触ってしまう”男、ゴム長靴ばかり271足盗んだ男…再犯が止まらない被告人たちの「ヤバい裁判」

同じ犯罪を何度も繰り返してしまった人の「ヤバい裁判」#1

2021/10/08

genre : ニュース, 社会

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「働いた人の臭いを嗅ぎたくて」ゴム長靴ばかり271足盗んだ男

 公判 2019年6月18日

 罪名 建造物侵入、窃盗

 被告人 デパート勤務の男性(53)

 起訴されたのは2件。1件目は、2019年3月に被告人が東京都内の工場に侵入してゴム長靴2足を盗んだ件。2件目は、2018年10月に被告人が東京都内の小学校給食室に侵入してゴム長靴2足を盗んだ件。

 検察官の冒頭陳述によると、被告人はゴム製の長靴の臭いに興味があり、何度も工場に侵入してゴム長靴を盗んでいたという。

©iStock.com

 取り調べに対し被告人は「働いた人の長靴の臭いを嗅ぎたくて、5回くらい工場に入り12足盗んだ」と供述しているそうです。

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 そんなに長靴集めても使い途ないだろうとは思いますが、逮捕後に被告人のマンションを家宅捜索したところ長靴が271足見つかったんだとか。かなり大きめの靴屋さんでも長靴はそんなに置いてないですからね。それだけ臭いを嗅ぐのが好きだったんでしょう。

 そして被告人質問。まずは弁護人から。

弁護人「長い間盗みをやめられなかったのは何故ですか?」

被告人「盗んでいるうちにドンドン盗むようになっていたと思います」

 盗めば盗むほど盗みたくなってしまうんですね。酔えば酔うほど強くなる酔拳の様に、盗めば盗むほどドロボーとしての自信がついて気持ちが強くなってしまうのかも知れません。

弁護人「今長靴に興味あるんですか?」

被告人「いや、今は好きではありません」

弁護人「今後、欲しいという欲を抑える為にはどうしますか?」

被告人「長靴を忘れる為に長靴の事は気にしないと肝に銘じて、もう長靴の事を考えるのはやめたいと思います」

©iStock.com

 逆に長靴を意識し過ぎのような気もしますが、長靴からは離れると約束していました。