知人に連れられて、富裕層が集まる怪しげな“交流会”に参加したときのこと。しがないライターには富裕層と話せる話題もないので、肩身の狭いを思いをしながら会場を眺めていると、参加している人々の共通点に気がついた。その場にいた中高年男性のほとんどが、天然石の“数珠ブレスレット”(以下、数珠)を腕に巻いていたのだ。

 ファッションとして身につけるには存在感がありすぎる数珠。彼らはいったい、どんな経緯で数珠を装着するようになったのか、実際に愛用している男性2人に話を聞いた。

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 橋田遼平さん(仮名・45歳・AV監督)の腕には、白い天然石の数珠が巻かれていた。聞けば、ミルキーリビアングラスというパワーストーンで、とても希少な石らしい。

「これは3万円前後で購入しました。ヒーリング効果が期待できるらしいです」(橋田さん)

「ファッション性よりも、石の効果を期待して選んでいます。実際、経営者のパーティーに行くとほぼ全員が何かしらの数珠をつけてますね。パワーストーンの意味を知ると、石の種類によって“その人が今欲してるもの”がわかるので、結構おもしろいですよ。たとえば、金運アップにつながる『タイガーアイ』という石が連なった極太の数珠を巻いてる場合は、よっぽどお金が欲しいんだろうなとか考えちゃいますね」

 顔ではすましていても、石を見れば相手の欲望がわかる、と橋田さん。中年男性のなかでも、富裕層が数珠にハマる理由をこう考察する。

「やっぱり、石に何かしら効果を感じてるから買い続けているんじゃないかな。とくに経営者や大物芸能人は一度パワーストーンにハマると周囲に止めてくれる人もいないので、歯止めが効かなくなる印象です。ブレスレットに留まらず、70万円以上もする大きな隕石を部屋に置いている人もいましたね」