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“おでんツンツン男”(33)が振り返る、逮捕されるまでの数日間「『お前今から殺しに行くからそこで待ってろ』と毎日殺害予告が…」

豊嶋悠輔さんインタビュー#1

2022/03/19
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当時「バイトテロ」で盛り上がっていた5チャンネル

――プライベート用のアカウントで投稿していたんですよね。なぜあそこまで炎上してしまったのでしょうか。

豊嶋 5ちゃんねるで取り上げられたのが大きいと思います。当時「バイトテロ」が社会的な問題になっていた時期だったので。5ちゃんねるではそういった話題に敏感で、僕の投稿を発見した人が、スレッドを立てたみたいです。それで瞬く間に拡散されて、僕の本名や実家の住所、家族の写真などがネット上で晒されました。

 最初は全く気づかなかったんですけど、知り合いから「おでんを突いた動画が炎上して5ちゃんねるですごいことになってる」と電話が来て、初めて自分の状況がわかりました。

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 僕自身について晒されたり、報道されるのはいいんですけど、家族にも迷惑がかかっていたので、それがしんどかったです。子どもがいたので、小学校でいろいろ言われることもあっただろうし、僕の母親は学校関係の仕事なので、僕のバカな行動のせいで相当迷惑をかけてしまったと思います。

 

フジテレビにつけられた「おでんツンツン男」というニックネーム

――炎上してしまった時、自分のやったことに後悔はありましたか。

豊嶋 後悔しかなかったですね。メディアから取材された時になんて言えばいいのかわからなくてテンパってしまって、切り取られて報道されるのがすごく怖かったです。

 最初、フジテレビから「取材させてほしい」と連絡がきたんです。「え、何? 急に。テレビで何を話せばいいんだろう」と思ったんですが、あまりにも押しかけてくるので僕が対応しないと他に迷惑がかかると思って、取材に応じたら、次の日には自分がニュースに出ていました。展開があまりにも急すぎて、考える時間すらなかったです。

「家族がいるので名前を公表するのはやめてほしい」と言うと、フジテレビは僕に「おでんツンツン男」というニックネームをつけました。その名前を面白がる人が増えて、余計にネットで拡散されていきました。

 

――家族から何か言われたりしましたか。

豊嶋 母親も気が動転していて、何が何なのか全くわかっていないような状態でした。

 事件後、母からこれ以上ないほど怒られました。「何で悪いことと正しいことが分からんの!」と。28歳で母にこんな思いをさせる自分が情けなくて、申し訳なかったです。