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東京を脱出したファミリー層が、鎌倉ではなく“湘南・藤沢”を選ぶワケ

10年後には東海道線の駅が3つも存在することに

2022/04/05
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東海道線の駅が3つも存在することになる藤沢市

 市を東西に貫くJR東海道線は「藤沢」と「辻堂」という2駅を持つ。2032年に鎌倉市の「大船」駅と「藤沢」駅の間に「村岡新駅(仮称)」ができると、一つの市の中に東海道線の駅が3つも存在することになる。藤沢から東京までは約45分、湘南新宿ラインを使えば渋谷まで約45分、新宿まで約50分の近さだ。東京の中心ターミナルである、東京、新宿、渋谷にほぼ同じ時間距離でアクセスできる街は神奈川県内では藤沢くらいのものだ。

 また「藤沢」駅からは小田急江ノ島線で、片瀬江ノ島から相模大野、町田方面に南北に電車が走る。さらには江ノ島電鉄で鎌倉にもアクセスができる。羽田空港にも藤沢駅南口からリムジンバスが運行している。将来的には県内の寒川町周辺に東海道新幹線の新駅が設置される見込みである。

©️iStock.com

 藤沢駅周辺は商業施設も発達。小田急百貨店やさいか屋のほか、イトーヨーカ堂などの大型スーパー、大型書店や物販店も充実。駅南口では先日、新たな市街地再開発事業計画も発表された。辻堂駅北口には関東特殊鋼の工場跡地を再開発。住友商事などが運営するテラスモール湘南は約280店舗を擁し、週末には市外からの買い物客も含め混雑する。駅前には大型のマンションが立ち並び、ARUHI「本当に住みやすい街大賞2022」で第1位に輝いている。

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教育環境、農業や畜産…藤沢市は様々な魅力にあふれている

 教育環境の充実もポイントの高い項目だ。市内には県内屈指の進学校である県立湘南高校をはじめ、慶應義塾湘南藤沢、湘南白百合学園、湘南学園、日大藤沢、聖園女学院、藤嶺学園など数多くの私立学校がある。

 海ばかりが注目されるが、市北部では農業や畜産も盛んで、トマトやナス、キュウリは湘南というブランド名が付き、高座豚は藤沢市と綾瀬市で生産される高品質の産品として全国的にも有名である。

 湘南唯一の酒蔵「熊澤酒造」が作る「天青」などの日本酒、しらす問屋「とびっちょ」など名産品も多く、こうした食材、飲料を市内のレストランなどで気軽に楽しむことができるのは、口の肥えた東京からの転入者にも人気だ。

 藤沢市は湘南エリアでの優位性を不動のものにしている。お隣の茅ヶ崎市は、市内に法人事業所が少なく、市の財政が脆弱だが、藤沢市は北部に多くの工場、事業所を抱え財政に比較的余裕がある。また寺社仏閣が多く、緑豊かだが、同じく税収不足に悩まされ、また古い土地柄で住みにくいとも言われる鎌倉市に比べて、特に若いファミリー層には住みやすい街といえよう。

 アフターコロナに住む街、東京に片足を突っ込みながら生活を楽しむなら藤沢市は最適の街といえるだろう。狭苦しい都内の「無理して買う」マンションよりも、藤沢の中古戸建て住宅でも買い求めて、湘南の風に吹かれて生活を楽しむ、令和の新しいライフスタイルの実現が可能な街、藤沢は最有力の街なのである。

東京を脱出したファミリー層が、鎌倉ではなく“湘南・藤沢”を選ぶワケ

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