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JR&半蔵門線“ナゾの終着駅”「長津田」には何がある?

2022/04/11

genre : ニュース, , 社会

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「この駅の特徴のひとつは、改札口の中にもうひとつ改札口があることだ」

 そしてこの駅の特徴のひとつは、東急線の改札口の中にもうひとつ改札口があることだ。改札口の中の改札口というマトリョーシカ的入れ子構造の先は、東急こどもの国線。長津田駅から北へヒゲのようにちょろりと伸びて路線名の通りこどもの国駅までを結んでいる。運賃が別体系になっているから改札口が入れ子構造になっているのだろう。

 

 こどもの国は、行ったことが(たぶん)ないからわからないが、いわゆる子ども向けのレジャー施設のようなもの。ただ、周辺が住宅地として開発されたことで、こどもの国来場者だけでなく沿線住民の通勤通学輸送がこどもの国線の役割になっている。

 そのままこどもの国線に乗ってこどもの国にでも行って遊べれば何よりなのだが、そんな齢でもないのでひとまずここは長津田駅の外に出てみよう。まずは駅の北側だ。

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 長津田駅は北側に田園都市線、南側に横浜線が並んでいる。つまり北口は田園都市線、東急側。だからなんだという話なのだが、東急側だったら何か結構な開発をされているんじゃないかと思ったのである。

 

 すると予想に反せず、駅前の立派なロータリーの向こうにはかなり背丈の高いマンションが長津田のシンボルのごとくそびえている。タワマンが建っているということは人がたくさん住んでいるということだ。駅前の道を少し歩くと、道沿いにはマンションがあって病院もある。

 脇道に入ると入り組んだいかにも迷いそうな路地が延々と続いていて、そこもビッシリとした住宅地。つまり、長津田は住宅地の中の駅なのだ。

 

 いつまでも住宅地の中をうろついていたら不審者以外のなにものでもないので、北口から南口に向かうことにしよう。駅の自由通路を使ってもいいのだが、すぐ西側に線路を跨ぐ陸橋があるようなのでそちらを歩く。まずはこどもの国線を跨ぎ、東急の乗務員の詰め所のような建物の前を通って田園都市線・横浜線をまとめて跨ぐ。