毎年おなじみ、受験シーズンである。現実問題、受験に関係している人はほとんどいないとは思うのだが、世間全体がなんとなく緊張感に包まれるような気がする。だからといって何ができるわけでもないので、いつも通りの日常を過ごすだけなのだが、とにかく受験生にとっては大事な季節なのだ。
で、まあだからというわけでもないのだが、今回は学生街の駅に行ってきた。学生街というのは大学の近くの、いわば大学の門前町のようなものだ。ふつうの繁華街などとはちょっと違う、大学の校風も色濃く反映された独特な町であることが多い。
そんな学生街、やってきたのは神奈川県は横浜市港北区、日吉駅。東急東横線が通る横浜市北部の駅で、ご存知の通り駅のすぐお隣、綱島街道を渡ったところには慶應義塾大学の日吉キャンパスが広がっている。
ほかにも近隣にはグラウンドやら普通部やら、慶應関連の施設がいくつもあって、おかげで慶應とは縁もゆかりもない人にとっても日吉=慶應、くらいなイメージが染みついている。
ただ、そうはいっても実際に行ったことがある人は慶應に通っていたり用事がある人、住んでいる人を除けばほとんどいないだろう。慶應義塾大学があるのはわかっている。だが、他に何があるのか。そんな感じで、日吉の駅を歩いた。
「日吉」には何がある?
東横線の日吉駅は、駅を利用しているだけだとわかりにくいのだが堀割の中にある。多摩川を渡って武蔵小杉のタワマンの林の中を抜け、東横線の車両基地がある元住吉駅を過ぎると日吉駅に到着するのだが、周囲と比べて日吉駅一帯は少し高いところにあるのだ。
この日吉周辺の高台は日吉台というらしい。横浜は大小の川が刻んだ高台と谷が入り組んだような地形をしていて、日吉台もその中のひとつ。慶應のキャンパスはみごとにこの台地の上にある。さすが慶應。
とはいえ、そうした起伏を急坂で登るのは鉄道にとって実に難儀なことだ。なので、日吉台に堀割を設けてそこの中に鉄道を走らせ、できるかぎり起伏を抑えたということなのだろう。こうした事例はあちこちの鉄道で見ることができる。
「地下鉄のようなホーム」から改札を抜けると…
さて、そんな堀割の中の日吉駅なのだが、実際のホームは地下駅のような雰囲気になっている。というのも、日吉東急アベニューという、つまりは東急系列の商業施設がホームの頭上に覆い被さるようにして建っているのだ。