楽しい楽しいゴールデンウィークも、あっという間に終わってしまった。今年はなんとなく区切りがいいカレンダーで、5月9日の月曜日からきっかりと日常が戻ってくるという人も多いのではないだろうか。
そして嫌な話をして恐縮だが、次の祝日は7月18日までやってこない。ゴールデンウィークの終焉は、長い苦しみの日々のはじまりなのである。
が、そうはいってもそう簡単に連休気分は抜けきれない。仕事なんてしてられねえ。もうちょっとだけ、のんびりさせてもらえませんかね……。
そんなときにおすすめ(本当はおすすめしませんが)なのは、通勤電車を途中で降りずにそのまま先まで行ってしまうことだ。もしくは、いつもと反対方向に乗ってしまうのもいい。いかにも衝動的で計画性の乏しさから、きっと多少のお目こぼしがあるに違いない。
というわけで「三崎口」にやってきた
というわけで、やってきたのは京急線の終着駅・三崎口駅だ。京急線は神奈川県の南の端で本線・久里浜線・逗子線の3つに分かれるが、三崎口駅はそのうちのひとつ、久里浜線の終点だ。ご存知のごとく、京成線から都営浅草線へと直通している京急線。つまり、千葉方面の方々にとっても、三崎口駅はそのまま降りずに行っちゃえの終着駅なのである。
三崎口駅までは、品川駅から京急線の快特に乗ること約1時間20分。川崎も横浜も金沢八景も通り過ぎ、もちろん横須賀も過ぎて三浦半島の端っこまで赤い電車で駆け抜ける。最初は東京の下町、その先では横浜の丘陵地に広がるニュータウンといった車窓は、三崎口駅に着く頃にはすっかりのどかな田園風景に変わっている。
三崎口駅がある三浦半島は、平地がほとんどなくて小高い丘が延々と広がるばかり。とりわけ三崎口駅のある南側は、丘が海に削り取られて入り組んだ海食台地。難しいことはともかく、つまりは三崎口駅の周辺は山あり谷ありそして海ありといった場所なのだ。
そのため、京急線は地上をはるか見下ろす高架でやってくるのにもかかわらず、三崎口駅は崖に突っ込むような形状になっている。ホームの品川よりの端っこに行けば地上を見下ろし、改札口を出るには階段を登るという、高いのだか低いのだかわからない構造なのだ。三浦半島らしい地形のおかげというか、その複雑な地形を三崎口駅が見事に教えてくれているというか、そういう終着駅である。