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東京で続々竣工する巨大オフィスビルは“国際交流拠点”となりうるか

2022/12/13
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今のアジアの中心は中国

 実は世界の中でどんどんポジションを落としている日本マーケットに多くの外資系企業は関心がない。欧米の企業からみれば、すでにアジアの中心は日本でも東京でもなく、中国であり、北京や上海、香港である。またアジアの国際金融センターは昔も今もシンガポールであることに何ら変わりはない。

 ということは世界の中のニッポンは、消費をする国あるいは不動産投資などで運用する国であって、生産する、創造するような国ではないのだ。日本は移民政策にも極端なアレルギー反応を示しているし、今の国力、国力を示す為替ではアジアの労働者からみても日本は魅力的な国には映らなくなっているのだ。

超大型オフィスビルの竣工オープンラッシュを迎える東京

 どうもこの点では日本の分は悪そうだ。しかたがない。難しいことは考えずに大谷翔平やSAMURAI BLUEの活躍に酔いしれ、世界中から「ニッポンすごい!」と賞賛されることで自らの承認欲求を満たそう。国からのばらまきでいそいそと旅行に出かけよう。来年はWBCだよ。また「ニッポンすごい!」が聞けるよ。それからラグビーワールドカップも気になるな。政治家や官僚はあてにならないけれど、まだ今のところは大丈夫だろう。アメリカさんについていけば、中国の侵略は防げるはず。ロシアも今に滅びるに違いない。なんとかなる。

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©iStock.com

 おっといけない、来年以降東京は超大型オフィスビルの竣工オープンラッシュだ。どうだ、ニッポンすごいでしょ? この巨大オフィスビルの壮観な姿に感動してみんながきっと褒めてくれるはず、外国人ビジネスマンはいないけど。

東京で続々竣工する巨大オフィスビルは“国際交流拠点”となりうるか

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