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「おもてなし会」で会員を信用させ、約8000万円で無人島も購入…慶応卒38歳社長、若者たちをだました“サギの手口”

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会員たちを信用させるための「おもてなし会」

 さらに、若い会員にとって大きかったのが、「おもてなし会」と呼ばれる月1回のパーティだ。

「都内のホテルなどで行われたおもてなし会では配当が現金で渡されるため、多くの会員が参加していました。会には、お笑い芸人の芋洗坂係長や女性ものまねタレントらがゲストとして呼ばれていた。こうした演出で会員たちに信用させていたと見られます」(同前。芋洗坂係長の事務所は「20年に一度参加した。会社の実態を知らなかった。出演料は返金したい」などと回答)

「Newsweek日本版」に登場した森野(フリッチクエストのFBより)

 だが、配当に回ったのはごく一部。出資金は森野の遊興費にも消えたようだ。

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「20年8月に都内一等地に“億ション”を購入。故マイケル・ジャクソンが所有していた地上の楽園『ネバーランド』を作ると豪語し、実際に21年には約8000万円で国内の無人島も買った。無人島との往復用に豪華クルーズ船も購入していました」(同前)

 しかし、昨年1月には配当の支払いを停止。関東財務局の情報提供もあり、投資詐欺などを専門とする警視庁生活経済課が昨年初頭、家宅捜索に入ったという。捜査関係者が明かす。

「会員とのやり取りはメッセージを消すことができ、海外のテロ集団も使う通信アプリ『シグナル』。出資も配当も全て現金決済で足がつかないようにしていた」

 束の間の自由と豊かさを享受していた森野。客に残ったのは、借金だけだった。

「おもてなし会」で会員を信用させ、約8000万円で無人島も購入…慶応卒38歳社長、若者たちをだました“サギの手口”

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