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堺市隣人殺人事件 生活保護担当者を書類送検 受給者に”暴行”や”不正支給”…職員との歪な関係が浮き彫りに【大阪発】

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genre : ニュース, 社会

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2022年11月、堺市で生活保護受給者が殺害され、隣人の男が殺人の疑いで逮捕された事件で急展開が。

殺人事件の容疑者に生活保護費を不正支給

3月20日、背任の疑いで生活保護業務を担当していた区役所の職員4人が書類送検された。殺人事件の被疑者に対し、生活保護費を不正に支給した疑いがもたれている。

関西テレビは書類送検前、複数の職員を直撃。

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(Q:免許取得費の支給は役所として適切だった?)
課長補佐:

分からないですね。適切だったとも不適切だったとかも分からない

別の職員:
振り回されましたよ。1人ではつらかったです、正直

さらに、職員4人のうち1人は、殺害された男性に暴行した疑いでも書類送検された。

課長補佐:
暴行の定義が分からなくなっている

 

生活保護行政の現場で一体何が

2022年11月、堺市中区の集合住宅で無職の唐田健也さん(当時63歳)が殺害された事件。

殺人の疑いで逮捕されたのは隣人の楠本大樹容疑者(33)。2人はともに生活保護を受けていて、同じケースワーカーが担当。

 

楠本容疑者は唐田さんの生活保護費の大半を受け取るなど金銭的に支配。さらには唐田さんに日常的に暴行を加えるなど主従関係にあったとみられる。

 

暴行は担当ケースワーカーの目の前でも行われていて、2人の異常な関係を職員は容易に把握できたはずだが…

堺市中区役所・西川明尚区長:
従来から2人で行動されることが多いとケースワーカーは認識していて。ある意味、相互扶助の関係にあると

暴行についても「当事者間の“いざこざ”だと思っていた」との説明を繰り返していて、ケースワーカーが警察に通報することはなかった。

 

しかし20日、事態は急展開。担当ケースワーカーの上司である課長補佐が、唐田さんへの暴行の疑いで書類送検された。

課長補佐は2022年11月、唐田さんが鍵をなくしたと担当ケースワーカーから呼び出された際に、唐田さんの肩を上下に揺さぶり、自宅の扉を蹴りつけ、「じじい!われ何しとんねん!」と怒鳴りつけた疑いがもたれている。

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