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「ロバートへの愛がヤバすぎてテレビ局に入社した」元少年が秋山と共に叶えた“夢の番組”――てれびのスキマ「テレビ健康診断」

『秋山歌謡祭』(メ~テレ)

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 ロバート秋山といえば、『オモクリ監督』(フジテレビ)で披露した、その施設の持ち主が都か区かを歌う「TOKAKUKA」や『ゴッドタン』(テレビ東京)「マジ歌選手権」、『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジテレビ)で披露している作品など、音楽ネタが多い。コントの中でも「トゥトゥトゥサークル」などリズムを使ったネタが少なくない。そんな秋山を“アーティスト”と捉えた人物がいる。「メモ少年」ことメ~テレ社員・篠田直哉だ。彼は、メ~テレ60周年特番に秋山竜次を迎え、『秋山歌謡祭』を企画・演出したのだ。3月17日に放送されたこの番組は、篠田の公式チャンネルでYouTubeに全編アップされ全国で見ることができる。

ロバート秋山 ©AFLO

 ゆってぃ夫婦とのコラボで「交際して性交渉♪ それとも性交渉して交際♪」と歌う「SAY KOU SHOW」から始まり、SKE48との対話から発想した「名古屋愛」をテーマにした新曲「名古屋でいさせて」などに続いていく、300曲以上あるこれまでの秋山の“名曲”の中からメモ少年が熟考して作り上げた“セットリスト”。

 そんなメモ少年は、『激レアさんを連れてきた。』(テレビ朝日)でも「ロバートへの愛がヤバすぎて小5から追いかけ続けていたらテレビ局に入社しちゃった人」として取り上げられるほどのロバートの熱狂的ファン。ライブでは笑うことよりノートにメモしまくることから秋山に「メモ少年」と名付けられた。すべてのネタを把握する彼に「マネージャーになってくれよ」と秋山が口にしたリップサービスを真に受け、マネージャーになることを決意したメモ少年だが、大学時代に学園祭の実行委員としてロバートを招聘し大成功した体験から、一緒にものを作る側に回りたいと考え、メ~テレに入社。自分が作る番組に呼べるようにもなり、ついに自分が理想とする番組を作るに至ったのだ。何しろ彼は、ロバートのコントの中で秋山が口ずさんだ“楽曲”を抜き出し、自作のMDを制作していたほど。

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「お前、本当にちゃんと責任取れよ」と困惑する秋山だが、その言葉とは裏腹に、新曲や名古屋にある個人店のCMソングを勝手に作ったりと、スペシャルオーディエンスの呂布カルマが「秋山さんの負担大きくないですか?」と驚くほど全力で取り組み、メモ少年の想いに応えていた。

 番組の最後には、秋山が2015年に“リリース”した「体重を6kg落としたい」「週末に髪を切りたい」など、自身の想いを歌にのせた楽曲「願い」を名古屋の人たちの願いを加えた「秋山歌謡祭バージョン」にして歌い上げた。荘厳な曲調がバカバカしくも感動的。そこにはメモ少年の「好き」という純粋な想いから生まれた「願い」が乗せられているかのようだった。

INFORMATION

『秋山歌謡祭』
メ~テレ スペシャル番組 現在はYouTubeで配信中
https://www.nagoyatv.com/program_sp/akiyama_music_festival.html

「ロバートへの愛がヤバすぎてテレビ局に入社した」元少年が秋山と共に叶えた“夢の番組”――てれびのスキマ「テレビ健康診断」

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