ロバートの秋山竜次が最近さらにやりたい放題だ。

 今年10月から始まった『秋山とパン』(テレビ朝日)ではパンの食レポのふりをして、一向にパンを食べずに、「高輪ゲートウェイの命名の会議に参加していた」「バンクシーと僕、関わってるんです」などと真面目な顔でわけのわからないことを言い続けパン屋の店員を困惑させている。そして同じく10月に始まった『アニマルエレジー』(テレビ朝日)では、児童劇団「えんきんほう」の天才子役・上杉みちというキャラクターに扮し夏目三久のパートナーとして出演している。

ロバート秋山  ©文藝春秋

 番組は様々な生き物の哀しいけれどちょっと笑ってしまう生態を解説するというもの。この日紹介されたのはオオアリクイ。一般的には「主食はアリやシロアリ」「長いツメと長い口を器用に使う」というものだろう。だが、“みちくんのエレジー図鑑”を紐解き、「アリをとるには便利だけど何かと不便な体」という生態が紹介されていく。そのVTRでは、「自分で言うのもアレですけど結構奇抜なビジュアルだと思うんです」などと動物たちの心の声を代弁したナレーションも秋山が担当。さらにそれについて歌ったオリジナルソングも秋山が歌うという獅子奮迅っぷり。

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 補足情報として「コアリクイの威嚇は全然怖くない」と紹介されると、みちくんは「お姉さんも威嚇することある?」と夏目に尋ねる。すると「若い子と仕事する時、威嚇してるように見られる」と吐露したのを契機に「みちくん、最近本当に悩んでるんだけど、自分より年下の人に怖がられないためにはどうしたらいいと思う?」と本気で相談し始める。距離を感じさせないために若い子の話を「教えて、教えて」と聞くようにしていると夏目が言うと「必死」感が伝わってしまうと指摘するみちくん。「えーそうなんだ……。痛いとこつくねえ。私もそうかなとも思ってるの。『歩み寄ろうとしてるな』ってバレバレかな?」とさらに相談を続けようとする夏目に「ちょっとこれ動物の話だから! ぼく、6歳だから!」と制すみちくん。一方、番組エンディングでは夏目の夢を見たとエッチな絵を描いてきたみちくんに「みちくん、子供だからっていい気になってるけどさあ、子供でも許されないことあるからね」と叱る夏目。「夢で見たから描いてきただけで……」と泣き出すみちくんに「嘘泣き!」とぴしゃりと切り捨てる。

夏目三久  ©文藝春秋

 ギミックとは言え「対子供」という状況が気を許させるのか、ポロッと本音を出したり、ちょっとSっ気を出したり、みちくんに対する夏目三久は「お姉さん」という役割の隙間から「素」のようなものがにじみ出ているのがとてもいい。ミステリアスな夏目三久の“生態”が見えてくる。

『アニマルエレジー』
テレビ朝日系 土 24:30~
https://www.tv-asahi.co.jp/animalelegy/#/?category=variety