「武雄温泉」の北と南
そして温泉街から駅に向かって歩く。武雄の町は、この温泉街を中心に発展した。だから、武雄の古くからの中心市街地は、最初に降り立った「TAKEO」オブジェのある南側ではなくて、温泉街のある北側だ。
長崎街道が抜けていたのも駅の北側。古い航空写真を見てもそれは明らかで、線路の北側に市街地が集中しているのに対し、南側はほとんど一面の田園地帯になっている。駅南側の市街地化が進んだのは、1970年代以降のことのようだ。
そういうわけで、温泉街から駅までの道程でも、飲食店やスナックの類いが建ち並ぶ細い道があったり、高架沿いの（つまり駅前を通る）道にはコンビニや飲食店が建ち並んだり、言われてみればこちらが武雄の歴史を刻んできた中心市街地です、といった雰囲気を持っている。武雄温泉は戦後の一時期に歓楽街温泉化したこともあったといい、スナック街はそうした時代の名残なのだろうか。
