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「多様性が重んじられる風潮に不満を抱えた」白人女性がアジア人姉妹の家に侵入…ヘイトクライムを題材にしたスリラー 「ソフト/クワイエット」を採点!

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〈あらすじ〉

 教会の談話室で、白人至上主義グループ「アーリア人団結をめざす娘たち」の第1回会合が開催された。主催者のエミリー(ステファニー・エステス)を含む6人の白人女性は、有色人種や移民を毛嫌いし、多文化主義や多様性が重んじられる現代の風潮に不満を抱えていた。彼らは鉤十字の切り込みが入ったパイを食べながら、日頃の鬱憤を吐き出し、過激な思想を共有して大いに盛り上がる。

 二次会をエミリーの家ですることになり、食料品店に立ち寄ると、居合わせたアジア系の姉妹と激しい口論になる。腹の虫が収まらないエミリーたちは、いたずら半分で姉妹の家に侵入し、荒らすことを計画するが……。

〈解説〉

 アメリカの社会問題であるヘイトクライムを題材に、全編をワンショットで撮影したクライム・スリラー。監督・脚本は本作で長編デビューとなるベス・デ・アラウージョ。92分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆全篇ワンショットで見せるという試みが効果をあげているとは思えず。こわいというより気味悪い。見終って妙な疲れが。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆ここまで暴かなければ、という覚悟はわかるが、乱雑な描写が気にかかる。安直なホラー映画となぜか匂いが似てしまう。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆怒りを抱え完全な被害者になって集う冒頭の場面が他人事とは思えず。女性陣のマウント合戦の恐怖に笑いつつ浸った。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆ジャンル映画の形式に臨場感を漲らせ、ヘイトクライムの心理構造を圧縮。音響も◎。特に前半は本気の戦慄に襲われた。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆人種差別主義の腐敗、人が孕む憎悪について強烈に問いかけてくる不穏なカメラワーク。途中で胸糞悪くなる程リアル。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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INFORMATION

『ソフト/クワイエット』(米)
5月19日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
https://soft-quiet.com/

「多様性が重んじられる風潮に不満を抱えた」白人女性がアジア人姉妹の家に侵入…ヘイトクライムを題材にしたスリラー 「ソフト/クワイエット」を採点!

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