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北京五輪の銀メダル熱狂から1年…本橋麻里に聞く、カーリングは「4年に一度のやつ」から進化できたのか

本橋麻里インタビュー #1

2023/05/28
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本橋 私もあまり詳しくないのですが、アメリカなどでは野球やバスケットボール、アメリカンフットボールなどのスポーツが入れ替わるように毎年、シーズンが始まったり終わったりしています。国内のカーリングはまだまだこれからですけれど、徐々に冬のスポーツコンテンツとして認知されていくのが理想です。

もっと気軽に接すことのできるスポーツでありたい

――「カーリングをメジャーに」というのは選手、関係者がみなさん長らくおっしゃっていますもんね。

本橋 そうですね。私には夢というか目標があって、カーリングはすき焼きとか北京ダックとか、ご馳走みたいな存在じゃなくてもいいと思うんです。

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――詳しく聞かせてください。

本橋 なんとなく仕事が終わって夕飯も食べて、時間ができたからテレビをつけた。YouTubeを開いた。そしたらカーリングの情報があって、「お、ちょっと観ようかな」と思えるようなコンテンツであってほしい。ご馳走でなくてもいいので、好き嫌い分かれないスポーツだと嬉しいです。

――なるほど。肩肘はらなくても、なんとなくみんなが好きみたいなイメージですかね。

本橋 あとは札幌でも北見でも稚内でも、旅行に行ったら「せっかく北海道に来たんだし、ちょっとカーリングやろうか」みたいにもっと気軽に接することのできるスポーツでありたいですね。

憧れの存在「みっちゃん」とは?

――日常に寄り添ったスポーツという点では、本橋さんは以前からカーリングを「ライフタイムスポーツ」として説いています。さらにこの先、「どういう大人になりたい。カーラーとしてこうありたい」という個人的な願いのようなものはあるんですか?

本橋 今の質問の答えになるかは分かりませんが、私、みっちゃんみたいになりたいです。

――みっちゃんというのは?

本橋 ああ、ごめんなさい。ロコ・ソラーレの(鈴木)夕湖のお母さん、倫子(みちこ)さんです。自分のことより他人のことを常に考える優しい方で、面白くて、「いつ寝てるんですか?」ってくらいパワフルな方です。大会中などはチームのサポートをしてくれてお世話になりっぱなしです。それ以外でも時々、偶然、お会いできたりするんですけれど、必ず「麻里ちゃん、寄ってきな。コーヒー飲んでいきなー」って声をかけてくれるんですよ。