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安倍首相、「働き方改革」って長時間労働をやめるためのものじゃなかったの?

今週の珍言・名言・問題発言

2018/02/24

麻生太郎 副総理兼財務相
「立憲民主党の指導で街宣車が財務省の前に来たことは承知している」

NHK NEWS WEB 2月19日

衆院予算委員会で言葉を交わす加藤勝信厚生労働相(左)と麻生太郎財務相(右) ©時事通信社

 19日の衆院予算委員会で、確定申告受け付け初日の16日に国税庁前で佐川宣寿長官に抗議する集会があったことについて、麻生氏は「御党の指導で、街宣車が財務省の前でやっておられた事実は知っている」と述べ、野党主導による動きだとの認識を示した。

 その後、立憲民主党の山崎誠氏、川内博史氏に訂正を求められると、麻生氏は「自分たちで指導していないと言うなら、訂正させていただく」としぶしぶ訂正した。しかし、一方で麻生氏の訂正には触れていない「自作自演のデモがバレる立憲民主党」とするツイートなどが拡散されている。言う方も拡散させるほうも確信犯でやっている。

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安倍晋三 首相
「わが国の悠久の歴史や伝統、文化に裏打ちされた価値観は世の中がいかに変転しようとも揺らぐことはない」

産経ニュース 2月19日

 安倍首相は19日、都内で行われた第33回正論大賞贈呈式にビデオメッセージを寄せ、大賞を受賞した文芸批評家の新保祐司氏、正論新風賞を受賞した文芸評論家の小川榮太郎氏と国際政治学者の三浦瑠麗氏に祝福の言葉を贈った。

「わが国の悠久の歴史や伝統、文化に裏打ちされた価値観」とは何のことなのか、実はよくわからない。戦国時代から江戸時代にかけての価値観に従えば、男性の同性愛は歓迎すべきだし、縄文時代から江戸時代までのことを思えば朝鮮半島との交流を促進すべきなのかもしれない。

 安倍首相は「真の日本人の精神を取り戻す活動は時代の要請に応えるもの」とも語ったが、「真の日本人」というフレーズも何のことだか曖昧だ。きっと首相の頭の中には確固たるイメージがあるのだろう。そこから外れた人は「真の日本人」ではないということか。

大地則幸 スマートデイズ前社長
「書いてあるとすれば、それはライターのミス。僕は執筆していないから」

朝日新聞デジタル 2月21日

 女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」への投資に関して、シェアハウスを運営する不動産会社スマートデイズが約700人の物件オーナーに賃料を払わなくなった問題で、前社長の大地則幸氏が朝日新聞の取材に応えた。オーナーは高金利のフルローンで1億から3億円程度の物件を購入していたが、賃料の収入が途絶えたことで莫大な借金を負うことになる。

スマートデイズが「かぼちゃの馬車」の名称で手掛けるシェアハウス ©共同通信社

 大地氏は著書『「家賃0円・空室有」でも儲かる不動産投資』(ダイヤモンド社)で「入居率9割」を謳ってオーナーを募っていたが、「虚偽の説明をしたのでは」と問われると「書いてあるとすれば、それはライターのミス。僕は執筆していないから」と松本伊代ばりの言い逃れをしてみせた。

 著者が自分の名前で本を出すなら自分でチェックするのは当たり前。言い逃れは不可能だ。出版社側も放置はできまい。大地氏は「ビジネスモデルは間違いじゃなかった。責任はとるつもりだが、できるならまだシェアハウスの事業をやらせてほしい」と語っているが、どこまで厚顔無恥なんだろう。

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