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 番組は生放送だから、放送で絶対に使ってはいけない放送禁止用語の一覧表を見ながらスタッフが教えてくれた。

「え~? これが放送禁止用語なん? うちら一発でアウトじゃん」

 普段よく使う言葉がたくさん入ってた(笑)。

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「これ全部使っちゃいけないんじゃ、しゃべんなってこと?」

 びっくりするぐらい生放送って気を遣うんだなぁ。

 本番では、アウトローの審査に栃木県のレディースが出場していた。

「なんだよ、栃木だ? 栃木のどこ?」

 私の血が騒いだ。

「壬生(みぶ)だよ」

 出場した子が言う。そのえらそうな言い方にカチンと来た。調子こんでるやつを見るとついケンカ吹っかけたくなってしまうんだよね。

「なんだ、田舎じゃん。帰れ」

 私なんと、生放送でキレてしまった。あたりは一瞬ピリッとした空気になった。

 そこはさすが、タモリさん。

「そうだよ、早く帰りなさい」と笑いに変えてくれたのだ。

30年前も名司会者だったタモリさん ©文藝春秋

 ピリピリした空気を瞬時に面白さに変えるタモリさんのフォローに、やっぱり名司会者は違うなぁと感じたものだ。

 他にはこんなこともあった。これはじゅりの話だけど、ある深夜番組に出演した時に、司会者のタレントを指さして、「あいつ、むかつく。気に食わない」と言ったのだ。

「確かに、むかつくよ」

 私たちもじゅりに賛同。もう一人の司会者が慌てた様子で、「まぁまぁ」と私たちをなだめてきたことをよく覚えている。

 引退したとはいっても、根っからのヤンキー気質はそうそう変わらないよね。