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次の箱根駅伝で「関東学生連合」は走れない…なぜそんな重大事が学生不在の"密室"で取り決められたのか

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genre : エンタメ, スポーツ, 教育

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連合チームに選ばれたとしても、本戦を狙える大学にしてみればモチベーションは上がらない。加えてメンバーに入る大学も“常連化”してきて、新鮮味がなくなった。

個人的には、連合チームは5年に一度の記念大会で結成されるくらいでいいのではと感じている。その理由は単純で、駅伝はチームスポーツだからだ。箱根駅伝に出たければ、出場が見込める大学に進学して、勝負していくしかない。

箱根駅伝に出られなくても、インカレなど個人で輝ける舞台は準備されている。どちらを選ぶかは、個人の自由だ。もしくは「出場は1校1名」と「本戦出場が1回までの選手」というルールを撤廃して、もっと夢のあるチームで参加できるようになれば、箱根駅伝の楽しみが増えるはずだ。

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一方、チームとして箱根に出場するのが絶望的な大学の選手にとっては、選抜チームの存在意義は大きい。大学卒業後“公務員ランナー”として大活躍した川内優輝は関東学連選抜で2度の箱根出場を経験。他大学の選手との交流が始まり、その後の競技に生きていることもあり、川内はかねて「選抜チームの存続」を強く訴えてきた。

では現役学生ランナーの意見はどうなのか。

学生ランナーの意見を無視しての強行決議

第100回記念大会で連合チームは結成されない。同90回記念大会も選抜チームの出場はなかったため、今回も出番がなくても仕方ない部分はあっただろう。だが、そこまでのプロセスが良くなかったようだ。

関東学連は昨年4月19日の段階で連合チームを編成しない案を加盟校へ提出した。それを受けて東京大学の学生は同26日、連合チーム編成可否の最終決定の時期を問うメールを関東学連へ送信。しかし、学連側からの返答が得られないまま同6月30日の代表委員総会で連合チームの編成可否が採決され、「関東学生連合チームは編成しない」と発表された。

今年4月に入り、東大や東京工業大学を中心とした8つの大学は、その決定を覆すためのプロジェクトチームを結成。5月17日までにオンライン署名で関東学連規約の臨時総会の開催条件にあたる「代表委員(加盟校の代表者)の3分の1以上」の賛同票を獲得するも、関東学連から加盟校の直筆の署名と押印をした書類を再提出するように指示を受けたという。