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次の箱根駅伝で「関東学生連合」は走れない…なぜそんな重大事が学生不在の"密室"で取り決められたのか

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そのような状況にもかかわらず、関東学連は6月28日の代表委員総会当日の午前、加盟校に対し、10月14日の箱根駅伝予選会の要項を送付。午後の総会を経て、第100回大会で連合チームが編成されないことを公式ホームページ上で発表したのだ。

今回の発表に至ったことに違和感を覚えたプロジェクトチームはその後も署名活動を続け、7月20日に臨時総会開催の要望書を再提出している。プロジェクトチームが不満をもらす理由は以下の通りだ。

関東学連の規約では代表委員総会が開催される2週間前までに会議の議事内容を通達する必要があると明記されているが、会議の議事内容を示した資料は前日や当日の朝にしか送付されなかったという。そのため、連合チームの編成可否を巡る議論の場が十分に設けられなかった。

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また承認/不承認の票数が議事録に明記されておらず、具体的な数字が不透明。さらに連合チームを編成しない案は強豪校の監督らが務める駅伝対策委員会で話し合われたため、草案時に学生の意見は反映されなかった。

要するに、箱根駅伝の“主役”といえる現役学生ランナーの“意見”がほとんど届いていないのだ。

箱根駅伝は誰のものか?

今回の“騒動”について、川内優輝はヤフーコメントにエキスパートという立場で以下のコメントを書き込んでいる。

明確な議論の場が設けられずに学生連合チームが廃止されたのは今回が初めてではありません。10年前の90回記念大会でも当時の学連選抜チームが今回と同じような構図で廃止されました。10年前も東京大学を中心に学連選抜存続を望む学生達が関東学連の会議で議論を続けた結果、多数決で91回大会以降の復活が決まりました。しかし、順位ありの「学連選抜」チームはオープン参加の「学生連合」チームに名称や記録の扱いが変更されて、1校1人などチーム編成の方法も変更されました。ですので、この「学生連合チーム存廃問題」は直近数年に出てきた問題ではなく、10年以上前から続いている問題なのです。