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アフリカ最貧国で国際結婚した日本人女性が明かす、ブルンジでの驚きの結婚生活「魔女に依頼して私たちに嫌がらせを…」「付添人が結婚式の直前に急死」

国際結婚夫婦インタビュー#1

2023/10/21
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 北京と天津は特急で30分くらいの距離だったので、その後の1年間は普通に交際を続けていました。いろいろ若かったですね(笑)。

エリックさんとさつきさん

国民の約9割が農民で自給自足で暮らしているブルンジ

――エリックさんの故郷であるブルンジを調べるとすぐに出てくるのは「世界最貧国のひとつ」という情報です。さつきさんはエリックさんと交際してはじめてブルンジという国を知ったのでしょうか。

さつき そうですね。ブルンジはエチオピアやケニアといった他のアフリカ諸国と比べても発展しきれていない国で、首都のブジュンブラですら高層ビルはひとつもないんです。

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 国民の約9割が農民というか、自給自足で暮らしていて、残りのほんの僅かな人たちが、政府の仕事やビジネスマンという感じで、お金を稼いでいる人が少ない印象ですね。

――さつきさんが初めてブルンジを訪れた時の印象は?

さつき 2014年頃、大学の夏休みを利用して一緒に里帰りした時に初めて行ったんですけど、頭にフルーツを載せて歩いている人がいたりとかして、TV番組の『世界の村で発見!こんなところに日本人』みたいな感覚を覚えました。あとはとにかく連日パーティをしていて。踊ったり歌ったり、みんな気さくで陽気だなあと思いました。

――逆にエリックさんは日本に対してどんなイメージを持たれていたのでしょう。

さつき 日本に対してはなんの印象も持っていなかったようですが、来日してから、礼儀正しくて親切で、ルールはきちんと守る人たちだと感じたようです。

 ただ、「日本では働かないと餓死するけど、自分の国なら仕事がなくても自給自足して生きていける」とも言っています。

民族紛争できょうだいを亡くしたエリック

――エリックさんのご実家も農家だったのでしょうか。中国に留学できるという環境は、ブルンジでは珍しいのでは。

さつき エリックは14人きょうだいなんですけど、ほぼ全員、留学経験があります。エリックのお父さんはビジネスマンで、裕福な家庭なんです。ただ、14人のうち3人がすでに亡くなっていて、一人は銃で撃たれたと聞きました。

ブルンジにて

 私がはじめてブルンジに行った時も夜は絶対に外出禁止で、夜中に銃声が聞こえてくることもありました。

――きょうだいの方が銃で亡くなられたことを含め、ブルンジの治安や内政の問題でしょうか。

さつき 1994年に隣国のルワンダで大虐殺がありましたが、その前に、ブルンジでツチ族とフツ族の民族紛争が起きたんです。エリックはフツ族なんですけど、フツ族がたくさん集まっていたルワンダに逃れるため、ジャングルの中を走って逃げたそうです。

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