10年勤めた警察官をやめ、世界最貧国のひとつとされるアフリカのマラウイで子持ち女性のジェニーさん(32)と国際結婚したコガさん(39)。なぜ安定した職を捨て海外志向に転じたのか? 

 アフリカでステップファーザーになったコガさんの子育てからマラウイでの生活事情まで話を聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)

コガさんファミリー 左からコガさん、リオンくん、ジョウジくん(昨年11月に誕生)、ジェニーさん 写真=本人提供

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青年海外協力隊の広告に惹かれて応募

――コガさんは35歳で警察官を辞め、アフリカのマラウイに移住。マラウイ人のジェニーさんと結婚し、今はジェニーさんの連れ子を含めた家族4人で日本で生活しています。まず、公務員を辞めてマラウイに移住しようと思ったきっかけから教えていただけますか。

コガさん(以下、コガ) 大学卒業後、福岡県警の警察官になったんです。交番勤務のあとは機動隊に入って刑事課に進んでと、ノンキャリアながら順調にステップアップしていたのですが、28歳のときにまた交番勤務に戻ることになって。交番って交代制できちんと休みがとれることもあって、生活がガラッと変わったんです。

――時間や気持ちの面でも違いそうです。

コガ 刑事課のときは本当に休めなかったんですけど、交番勤務になったことで余裕ができた時にふと、電車の中で見た青年海外協力隊の広告に惹かれる自分がいました。もともと福岡大学の東アジア地域言語学科というところで勉強していたものの、警官になったことで海外に行くことは自然と諦めていたんです。

コガさんの警察官時代 写真=本人提供

 でも、その話を上司にしたら、自己啓発休業制度というものを使えばOKとお墨付きを得られたので応募し、マラウイに行くことになりました。それが30歳のときです。

――マラウイという行き先はご自身で希望されたのでしょうか。

コガ 派遣先として3箇所まで希望地を出せて、警察官としてのスキルを活かせそうな職種として少年更生施設での仕事があったので、その要請がある国からまずは選びました。

 あと、当時の私の英語力が中途半端だったこともあり、いっそまったく勉強してこなかった言語圏の国を選ぼうと思って、スペイン語圏のニカラグアとボリビアを第1、第2候補として挙げ、英語圏ではありましたが、少年刑務所での仕事の要請があったマラウイを第3候補として書いたんです。