10年勤めた警察官をやめ、世界最貧国のひとつとされるアフリカのマラウイで子持ち女性のジェニーさん(32)と国際結婚したコガさん(39)。なぜ安定した職を捨て海外志向に転じたのか?
アフリカでステップファーザーになったコガさんの子育てからマラウイでの生活事情、日本に帰国した理由などについて話を聞いた。(全2回の2回目/最初から読む)
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翻訳機を使ってコミュニケーションをとる日本での生活
――2022年1月にマラウイでジェニーさんと国際結婚をし、同年11月には次男のジョウジくんが誕生。彼女の連れ子を含む4人で生活していたコガさんですが、つい最近、日本に帰国されたそうですね。生活はいかがですか。
コガさん(以下、コガ) 義理の息子のリオンはいま日本でいうところの小学校4年生になるんですが、今週(編集部注:取材したのは4月下旬)から地元の小学校に通い出しました。言葉が分からないなりに友だちが少しずつできているみたいで安心しました。特に給食が気にいったようで、「お腹いっぱい食べられるし、とにかくおいしい」と話しています。
――言語はどうですか?
コガ まだ日本語は挨拶程度しかできないので、担任の先生が簡単な通訳をしてくれたり、あとは翻訳機を使っています。自分の両親と妻やリオンが話すときは私が通訳をして、あとは母親が携帯の翻訳アプリの使い方を習ってきたので、それで対応しています。
マラウイは医師でも月給が約4万円弱
――マラウイから日本に帰ってきたのはなぜでしょうか。
コガ 第一は、収入が厳しくなったからですね。
――マラウイでお二人はどんなお仕事を?
コガ ジェニーは皮膚科の研修医で公務員として働いていて、私はレストランの開業準備中ということもあって主夫業をしていました。
――マラウイでの1ヶ月の生活費はどれくらいかかるのでしょうか。
コガ 生活費は4万円と少しで、僕のYouTubeの収益が500ドルくらいだったので、それでどうにか払えてはいました。
ジェニーは医療従事者ですが、マラウイは医者でも月250ドル、約4万円弱の給料しかもらえず、公務員でもまったく余裕がないんです。