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――そうしたら、まさかの第3候補が通ったんですね。

コガ 自分はニカラグアに派遣されると思い込んでいたので、スペイン語の教科書をたくさん買い込んでしまっていました(笑)。なので、まったくマラウイのことを知らないまま行くことになったんです。

日本人は海外協力隊のボランティアぐらい

――アフリカ大陸南東部に位置し、タンザニアやモザンビークに隣接するマラウイは、世界最貧国のひとつだそうですね。実際に行ってみて感じたことは?

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コガ アフリカの中でもマラウイは本当に貧しい国なんだ、というのは肌で感じました。南アフリカはもちろん、タンザニアもケニアもザンビアもジンバブエも、首都は日本の大都市並みに発展していて、高層ビルが林立しているんです。でも、マラウイの首都リロングェは明らかに発展が遅れている印象で、高層ビルもほとんどありません。滞在中に近くのアフリカの国をいくつか旅行しましたが、その中でも一番開発が遅れているのがマラウイでした。

――マラウイにも日本人はいましたか。

コガ 日本人は海外協力隊のボランティアぐらいで、基本的に「チャイナ」といってからかわれることが多かったですね。でも、それはアジア人差別というよりも、友だちになりたくて話しかけてきている感じなんです。僕はいちいち訂正するのも面倒だったので、「ニーハオ」って返しちゃってましたね。

マラウイでのボランティア時代 写真=本人提供

隣の家に引っ越してきた女性に一目惚れ

――マラウイはフレンドリーな方が多い?

コガ 「Warm Heart of Africa(アフリカの温かい心)」と言われる国だけあって、親切な人が多いです。ただそれも貧困がベースにあって、マラウイの人は、一人や核家族では生きていけないことが幼い頃からわかっているんだと思うんです。「人と助け合う=生きていくために不可欠なこと」ゆえに、他人に親切にして信頼関係を築くことを何より大事にしている気がしました。

――2年間の海外協力隊の期間中に、現在のパートナーであるジェニーさんと出会ったそうですね。

コガ まさかマラウイで恋に落ちるとは思ってもいなかったです(笑)。出会いは、彼女が隣の家に引っ越してきたことなんですが、挨拶に行ったとき、「なんて美しい人なんだ!」と一目惚れしました。でも、その直後、ジェニーには赤ちゃんも含めて4人の子どもがいることがわかって崩れ落ちました。