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「離檀料700万円払え」「墓じまいさせない」住職による高額要求多発…心穏やかな死を望む高齢者の終活に異変

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genre : ニュース, 社会, マネー

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国民生活センターでも2022年6月に「墓じまい 離檀料に関するトラブルに注意」とする情報をメルマガで配信。300万円の離檀料を請求されたケースや、「跡継ぎがいないのでお寺に離檀したいと相談したところ、過去帳に8人の名前が載っているので、700万円かかると言われた。不当に高いと思う」などとする苦情を掲載した。寺から離れる際に、数百万円を要求するとはにわかに信じられない話だが、そういう悪質な寺もあるのだ。

著者も近年、墓じまいのトラブルに関してメディアの取材を受けることが頻繁にある。その際には、離檀料の設定は「絶対にあってはならないこと」と述べている。曹洞宗は公式サイト上で、「地域の風習や慣行、寺院と檀信徒との関係性において、当事者間の話し合いにより決まるものと考えている」とも述べているが、私はそれこそが「抜け穴」になっていると考えている。

布施(寄付)は、「慣習」や「当事者間との話し合い」で決まることではない。布施はあくまでも出す側の篤志によって決まることであり、そのためには菩提(ぼだい)寺と檀信徒との関係性が良好でなければ、成立はしない。

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旧統一教会問題を契機に「被害者救済法」が成立した。そこでは「寄付の不当な勧誘行為」が定められている。たとえば、「離檀料を払えなければ借金してでも払え」などと要求した場合、寄付の取り消し対象になるだけではなく、悪質な寺は解散命令も視野に入ってくる。

他方で、檀家の側にも問題があることがある。墓じまいの際、墓石の撤去費用を出さずに、管理費も滞納したまま、そのまま放置してしまうようなケースだ。

墓石撤去費用払わず管理費滞納のまま放置する檀家

墓地管理費の滞納が続くと、墓地管理者である住職が督促をすることになる。それでも3年以上の滞納が続いた場合、墓地使用者に契約解除の通知を実施。墓地区画に立札を設置して、1年間ほど掲示するとともに、官報にも同様の公告を行う。それでも申し出がなかった場合は、行政手続きを経て、撤去が可能になる。

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