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「離檀料700万円払え」「墓じまいさせない」住職による高額要求多発…心穏やかな死を望む高齢者の終活に異変

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こうした手続きの煩雑さに加え、墓石の撤去・処分となれば数十万円の出費がかかる。斜面など立地が悪く、区画の規模が大きい場合は100万円を超えることもある。

墓石が放置され、あるいは、管理費の滞納が増えていくと、墓地管理の秩序が崩壊し、連鎖的に同様のケースが増えていく。時間をかけて寺の経営が圧迫され、最終的には寺院が護持できずに、空き寺になってしまう。悪質なケースに困惑する寺が、墓石撤去料を請求するのは当然のことだ。

寺院の墓地規定にあらかじめ、離檀の際に墓石撤去料を記載していることもある。しかし、それが「離檀料」として曲解され、ネットなどで非難を浴びてしまうこともしばしば、起きている。菩提寺も檀家も、最低限の倫理性が求められることはいうまでもない。

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)
浄土宗僧侶/ジャーナリスト
1974年生まれ。成城大学卒業。新聞記者、経済誌記者などを経て独立。「現代社会と宗教」をテーマに取材、発信を続ける。著書に『寺院消滅』(日経BP)、『仏教抹殺』(文春新書)近著に『仏教の大東亜戦争』(文春新書)、『お寺の日本地図 名刹古刹でめぐる47都道府県』(文春新書)。浄土宗正覚寺住職、大正大学招聘教授、佛教大学・東京農業大学非常勤講師、(一社)良いお寺研究会代表理事、(公財)全日本仏教会広報委員など。
「離檀料700万円払え」「墓じまいさせない」住職による高額要求多発…心穏やかな死を望む高齢者の終活に異変

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