文春オンライン
「ちょっとHな大人のディズニーランド」滋賀県の“ナゾの歓楽街”「雄琴」には何がある?【これぞ男の夢の世界】

「ちょっとHな大人のディズニーランド」滋賀県の“ナゾの歓楽街”「雄琴」には何がある?【これぞ男の夢の世界】

『ルポ 日本異界地図』より #4

2024/02/10

genre : ライフ, 社会, 歴史

note

 夜になるとソープのケバケバしいネオン看板が煌々と輝き、周囲を明るく照らす。まさに「闇のなかに浮かび上がる不夜城」という表現がぴったりだ。

ゴールデンゲートというアーチをくぐると、その向こうにはソープ街が広がっている(『ルポ 日本異界地図』より)

 雄琴にはソープ以外のフーゾクは花びら回転で有名なヘルスが1軒あったが、現在は閉店している。

 ソープ街は大正寺川沿いの川筋通りと、逆Uの字型のゴールデンゲートとシルクロードに分かれている。ゴールデンゲートとシルクロードの入り口には、それぞれ華やかに装飾された大きなアーチがかかっており、ここをくぐると「男の夢の世界」に入ることを大々的に物語っている。

ADVERTISEMENT

なぜ日本有数の歓楽街に?

 現在の関西にはソープが営業を許可されている地域が5カ所ある。兵庫県神戸市の福原、姫路市の魚町、尼崎市の昭和南通、東難波町、和歌山市の新雑賀町、そして滋賀県大津市の雄琴である。

 なかでも、とくに店数が多く、さまざまなジャンルの店が集まる「ソープ街」として親しまれているのが福原と雄琴だ。

 明治時代のはじめに遊廓として街づくりが行われ、その歴史を継承している福原とは違い、雄琴の歴史は短くて浅い。

 雄琴に風俗店が初登場したのは1971(昭和46)年。2月6日、いわゆる「風(2)呂(6)の日」に、トルコ風呂(※以後“ソープ”で統一。かつて日本で用いられていた個室つき特殊浴場の名称。ソープランドの昔の呼び方)『花影』がオープン。田守世四郎という人物が雄琴が「風俗営業の禁止除外区域」であることを知って開業したのである。

 雄琴のソープ第1号店の『花影』は大成功した。オープン初日は午後3時の開店前から店の駐車場が車で埋まり、開店時間を繰り上げて接客を開始。訪れた客は約300人。そのうち200人が深夜までに遊ぶことができ、100人があぶれて帰った。

関連記事