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「逃げるな」「出てこい」自殺した中学3年男子の告別式で糾弾された女性教師の“暴言指導”とは《遺族が6580万円の賠償訴訟》

「逃げるな」「出てこい」自殺した中学3年男子の告別式で糾弾された女性教師の“暴言指導”とは《遺族が6580万円の賠償訴訟》

2024/03/15

genre : ライフ, 社会

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 調査委員会の報告書では、複数の生徒によるA教諭の指導時の態度について証言が記録されている。

 怒鳴る、ものや壁を叩く、机や椅子を蹴る、ティッシュの箱を投げる、やかんを目の前に落とされてやかんを蹴る、といった行動がみられたことが挙げられている。A教諭は一部を否定しているが、「大声を出す」行為は同僚教師からも情報が得られ、A教諭本人も自覚していたとされている。生徒たちは「考えさせるような指導になっていない」との評価で、乱暴な命令的な口調も指摘されていた。

 意見陳述でアカネさんはこう話した。

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「当日の午後5時40分、仕事中に電話が鳴りました。担任の先生からでした。『サトルくんがカバンを学校に置いたままいなくなりました。どこへ行ったか知りませんか? 宿題を出していなくて残していたらいなくなりました。どこか行きそうなところは、心当たりありませんか?』。一方的で心配しているような言い方ではなく、とても威圧的で、私も責められているような気持ちになりました」

 

「『とにかくお願いだから起きて』と泣き叫ぶことしかできませんでした」

 その後アカネさんが自宅に戻ってみると、学校の近くだったためもあり、A教諭が自宅の前で待っていた。自宅に入ると、サトルさんは首をつってすでに死亡していた。

「私は変わり果てた息子を目の前に、『とにかくお願いだから起きて』と泣き叫ぶことしかできませんでした。A教諭が『みんな一緒だったんです』と私に向かって叫んだのを覚えています。その意味はわかりませんでした。息子と最後に話したのは担任の先生なのだから、当然何かしらの説明があると思っていました。

 しかしその日担任や学校からの説明は一切ありませんでした。学校で職員会議をしていたようです。発見時に現場にいたA教諭は『ごめん、サトルくんごめん』と叫んでいたことや、 警察官に2度にわたって事情聴取を受けていたことがのちに分かりました」