「娘はホストに身も心もボロボロにされた。しかもこんなことをしたのに反省がない。本当に許せない」
こう憤るのはホストの支配から娘のA子さん(22)を奪還した母である。
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初来店で同志社大生ホストと連絡先を交換
女性に高額な売掛(ツケ)を背負わせ搾取する「悪質ホスト」は、近年深刻な社会問題になっている。
「警察庁は今年を“悪質ホスト一掃元年”と位置付け、全国で店舗の摘発を増やしています」(社会部記者)
関西在住で美容師のアシスタントとして働いていたA子さんが、大阪・ミナミのホストクラブに足を踏み入れたのは、22年7月14日のことだった。
「A子は友達に誘われて、ミナミの有名店を訪れました。初回は1000円だったといいます」(A子さんの母)
A子さんの席についたのは当時21歳で同志社大生のX。NEWSの小山慶一郎を彷彿とさせるジャニーズ顔。同世代であることもあって、ウマがあった。連絡先を交換すると、後にXからこう連絡があった。
「店の幹部に上がるために来てほしい」
10日後、Xを「本指」(本指名)するためA子さんは再び店を訪れた。
「その日、A子は21万円のシャンパンを入れたそうです」(前出・母)
売掛金を払うため、風俗店で出稼ぎすることに
“ホスト沼”に嵌まったA子さんとXは、ほどなくして大阪市内のマンションで同居を始めた。
「親の借金が3000万円もあって苦しいねん。助けて」
Xの訴えを信じ、A子さんは貯金を取り崩しホストクラブに通いつめたが、美容師見習いのA子さんがパンクするのは時間の問題だった。22年10月時点で、売掛は30万円を超えた。
ある日、XはA子さんにこんなLINEを寄越す。
「やってみる気があったらとりあえず紹介だけするよ」
A子さんの母が言う。
「風俗の仕事をして売掛金を払えと唆されたのです。お金のなかった娘は、Xからスカウトマンを紹介され、風俗店で出稼ぎすることになってしまいました」