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御堂筋線“ナゾの終着駅”「箕面萱野」には何がある?

大阪の北の方#1

2024/04/08

genre : ライフ, , 社会, 歴史

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 ただ、さすがにいまは令和である。のどかな風景がいつまでも続くはずもなく、すぐに住宅地、そしてそれを抜けると、国道171号が北摂山地の麓を東西に走る。

 クルマが何台も連なり、新御堂筋との交差点はこの地域一帯の要衝なのだろう。国道171号を渡った先には、巨大商業施設のキューズモールもある。そして、新たなる終着駅、箕面萱野駅はこのキューズモールに直結して設けられている、高架の駅だ。

じつは20年以上前から完成していた「駅直結の商業施設」

 キューズモール自体は2003年に開業しており、もう20年以上の歴史がある。これまでは千里中央駅からシャトルバスなどで連絡していたようだ。新船場にとっては半世紀、キューズモールにとっては20年たってようやく実現した待望の鉄道開業なのである。

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 おなじみのブランドショップから飲食店、さらにはシネコンまでが入っている大型商業施設。そこに鉄道が通ったというのだから、駅も駅前もとにかくたくさんの人で溢れかえっていた。

 

 新大阪駅から約20分、梅田駅からも30分とかからない。大阪の人たちにとっては、この御堂筋線・北大阪急行の延伸で新しい商業施設に行きやすくなった形だ。それはもう、これだけたくさんの人が殺到するのもうなずける。

 

 このキューズモールや箕面萱野駅を中心とした一帯は、箕面市が新たな中心部として「かやの中央」と名付けて開発を進めてきたエリアだ(箕面市のもともとの中心部はもっと西側、阪急箕面線箕面駅周辺にある)。つまり、それ以前はのどかな農村地帯というほうがふさわしい場所だった。