梅田、といえば大阪はキタの中心地。JRに乗って訪れれば大阪駅で降りることになるが、阪急や阪神、地下鉄ならば梅田駅である。ところが、そんな梅田駅の駅名が10月1日から変わるという。新しい駅名は「大阪梅田駅」。頭に“大阪”を付けるだけで、つまるところ当地に不慣れな外国人観光客などにもわかりやすくしようということのようだ。同時に阪急では河原町駅が京都河原町駅に、石橋駅が石橋阪大前駅に変更される。
そもそも「雲雀丘花屋敷」は何と読む?
と、いきなり阪急の駅名の話から始めたが、今回のテーマはそこではなく……“大阪”梅田駅から阪急宝塚線に乗って向かう終着駅、「雲雀丘花屋敷駅」である。この駅は阪急の中でもとりわけ“ナゾ”の多い終着駅ではないか。阪急電車の主要3路線である神戸線・京都線・宝塚線は、いずれも梅田から発してそれぞれ神戸三宮・河原町・宝塚に向かう。三宮と河原町は言わずと知れた神戸・京都の中心地。宝塚はあの宝塚歌劇団の本拠地であり、どれも知名度は全国区、世界レベルである。だからナゾの終着駅など基本的にはないはず。ところが、宝塚線だけは宝塚行きだけでなく雲雀丘花屋敷行きという電車が盛んに走っているのだ。
時刻表を見てみると、日中の宝塚線は2本に1本が雲雀丘花屋敷行き。急行が宝塚行きで各駅停車が雲雀丘花屋敷行きという案配だ(ちなみに急行は各駅停車の9分後に梅田駅を発車し、途中で追い抜くことはない)。おかげで神戸線や京都線のユーザーも梅田駅や十三駅でしばしば「雲雀丘花屋敷行き」の電車を見かけることになり、ナゾが深まるばかりなのだ。
そもそも、読み方がわからない(“ひばりがおかはなやしき”である)。筆者もかつて京都に住んでいたときに阪急電車をよく利用していたが、「雲雀丘花屋敷」という行き先表示を見て「うんじゃく……?」などと首を傾げていた記憶がある。画数の多い漢字6文字の駅、なんとも気になる存在なのだ。
「学生専用」階段がお出迎え
というわけで、実際に雲雀丘花屋敷駅を訪れた。阪急宝塚線の各駅停車で豊中や池田といった北摂の住宅地を抜けて、その間に駅名変更が予定される石橋駅も通り過ぎ、約30分で雲雀丘花屋敷駅に到着する。乗客を全員降ろした電車はそのまま駅の西側にある車庫に向かって去ってゆく。